屋久島・離島の沢

屋久島 瀬切川

屋久島三大険谷の1つである瀬切川。

屋久島の西部に位置し、豊富な水量と長大なゴルジュが特徴。

そして遡行終了後にまさかのハプニングが…!!

屋久島 瀬切川 遡行記録

2019/4/20 日帰り 晴れ

メンバー:ケーシ、シュカ

遡行グレード:4級上

屋久島に来たら登っておきたかった瀬切川へ。
読み方を“セギリ”だと思っていたが、地元の人曰く“セギレ”、“セギラ”が正しいらしい。

早朝、瀬切橋に向けて車を走らせる。
栗生~永田間は7時~17時まで通行止めとなっているが、ゲートなどは無いので普通に入れてしまう。実際、車を数台見かけたので、地元の方は普通に入っているようだ。

瀬切橋の脇に車を停めてスタート。


脇の林道?から少し歩くと奥の橋に着く。ここから入渓。
増水しているのか?というくらい、物凄い水量。この谷の険しさを感じる。


入渓後、少し歩くと最初の15m滝。
ここは右岸から簡単に巻ける。


15m滝上からは巨岩帯が続く。


巻いたり、飛び石をしながら先に進む。


巨岩が幾重にも重なった40m滝。これも当然巻く。


右岸巻きだが、後半は滝の上部に出るようにトラバース。
結構高度感があり、フリクション頼みの場所もあるので注意。


その後も巨岩帯と滝を巻きながら進む。


巻き。


これも巻き。いきなり巻きばかりでうんざり。
前半は基本的に右岸巻きが楽だろう。


右岸巻きを続けていると巨大なスラブに阻まれたので、沢に降りて対岸へ渡ることにする。
遡行図ではこのまま右岸を巻いているようだが、結構な大高巻きになりそう。


対岸への渡渉も簡単ではない。
飛び石を失敗すれば大怪我しそうなので、ロープを使って対岸に渡る。


ここから突破不可能なゴルジュ帯が奥に見えたので、左岸巻き。


巻き途中。踏み跡は概ね明瞭。


ゴルジュが終わったようなので下降していく。


1ヶ所懸垂で沢床へ。もう少し高く巻いていれば、懸垂無しでも降りられそうだった。


ゴルジュ後の渓相。奥に滝の飛沫が舞っているのが見える。


ハイライトの瀬切滝40mに到着。
地形図を見ると全然進んでおらず、げんなり。


瀬切滝は当然登れないので右岸から巻くことにする。
小さく巻くとハマりそうだったので、少し大きめに巻いていく。


尾根の緩やかな部分に向かって登ると、綺麗に沢へ復帰出来た。


瀬切滝上はまさに癒しの渓相。


高巻き地獄で傷ついた心が癒されていく。


その後は平凡な河原になる。とてもこの先に長大なゴルジュがあるとは思えない。


しばらく歩くと上部ゴルジュが始まる。


とても手に負えない滝が連続する。


ひたすら左岸巻き。藪が薄く歩きやすい。


一旦、沢床へ。結局次も登れないので巻き。


さすがに高巻きの連続にうんざりしたので、沢に下りて休憩。


とにかく沢に降りては巻いてを繰り返す。
いっその事、巻きに徹していれば時間ロスが少なく済むのだが…。
せっかく沢に来たのだから、滝は見ておきたいよね。とシュカさんを説得し毎回沢に降りた。


この付近は少しゴルジュが落ち着き、沢に降りられる。


後ろを振り返る。真面目に全て水線突破をやろうものなら1,2日では済まないだろう。


豪快な幅広10m滝。ここから再びゴルジュ。


爆水を落とすこの滝も巻き。後半はとにかく左岸巻き。


この滝が見えるとゴルジュの終わりが近い。


小さく巻いていくと…。


奥に巨大なスラブ滝が見える。20mくらいはあるだろうか。


20m滝の落ち口から。


20m滝上は4,5m程の滝が2つほど出てくる。


巻き終えると、ようやく沢は平凡に。癒しの渓相が迎えてくれる。


840m二俣手前で林道にあがることにする。
ここから上は平凡な渓相が続くようだ。登山道抜けに拘る場合はもう1泊必要だ。


林道に到着!ん?これ林道?


少し登ると正規の林道に出た。ここから長い林道歩きが待っている。


口永良部島が見える。3時間の林道歩きで登山口に到着!
すでに19時と辺りは真っ暗。ここから車を回収するため、歩く予定だったが親切な地元のご夫婦が車に乗せてくれ、瀬切橋まで送ってくれた。

さて帰るか…と車のエンジンを起動するが付かない!?
まさか…と車内の電気を確認すると電気を付けっぱなしで出発した形跡が。
バッテリーがあがってしまったようだ。。
この付近は栗生付近まで行かないと電波が入らないので、泣く泣く真っ暗な中、8km道路を歩くことにする。
当然車など通るはずもなく、車も今日中に直すのは不可能だろう。まさかの下界お座りビバーク決定が頭を過る。

しばらく歩いていると前方に車のライトが!手を振ると止まってくれ、事情を話すと集落まで乗せてくれるとのこと。
おまけに友人を呼んで、車のバッテリーまで復活させてもらい、奇跡的に宮之浦に帰還できた。
助けてくれた地元の方々に感謝。島民の心の温かさに触れられた一日だった。

コースタイム

瀬切橋6:30―入渓6:40―瀬切滝10:00―遡行終了地点16:00―大川林道入口19:00

装備

ラバーソール靴、30mロープ