奥秩父の沢

奥秩父 滝川本谷~古礼沢

渡渉や泳ぎが連続する荒川の大支流。

事故が非常に多く、沢ヤの間ではいわく付きの沢として知られている。

ブドウ沢手前の“悪場”の通過がポイント。

荒川水系 滝川本谷~古礼沢 遡行記録

2013/6/22-23 1泊2日 曇り/晴れ

メンバー:ケーシ、他3名

遡行グレード:2級

台風後の晴天を狙って滝川本谷へ。
しかし沢は大増水。斜面崩落、ヘッデン遡行とかなり大変な遡行になったが、沢の危なさを認識すると共にとても良い経験になった。


出会いの丘に車を停めてスタート。
トンネル先の踏み跡から入渓する。


沢に降り立つ。水量多い。


いきなり薄暗いゴルジュ。


スクラムを組んで通過する。


水量豊富。基本的に泳がずに通過できる。


時折穏やかな渓相を見せる。

美しい釜。


水量多いが前半は特に問題なく通過できる。


日差しが心地よい。


ここの釜で事件発生。
左からへつっている際に急に上部斜面が崩落したのだ。
軽自動車くらいの岩が大量の土砂と一緒に降って来る。
無我夢中で釜に飛び込み脱出。死ぬかと思った。
台風後で地盤が緩んでいたのが原因か。


最初の核心、箱淵。


泳いで取り付くが、流れが強く大変。


後続はゴボウで引っ張り上げてもらう。


120ルートの写真のナメ。


箱淵から少し進むと釣橋小屋跡。上部にはボロボロの吊り橋がかかる。


再びゴルジュが始まる。


水中は流れが強く流されそうなので、側壁をへつって進む。


ここもへつって行くが、沢床に戻る機会を失い巻きあげられる。


巻きあがった場所から沢を覗く。
まだ奥に続いているが、ここからは懸垂しないと沢床へ戻れそうにない。


断崖絶壁を懸垂で沢床に復帰する。


ゴルジュ内部を上から振り返る。
平水なら巻かなくても通過できると思う。


ゴルジュ帯を進む。


核心の“悪場”が見えてきた。
写真は入口の8m滝。左の残置を使い越えると…。


問題の事故多発ゾーンに突入。トラバースして通過する。


ここも残置ロープが張り巡らされている。
ホールド、スタンスともに甘く、完全に残置頼りの腕力勝負。
落ちたら釜に巻かれて助からないだろう。


核心を越えてもゴルジュは終わらない。
次第に日も暮れ、辺りは闇に包まれる。


ゴルジュ内でテン場は見つからないので真っ暗な中、遡行を継続。
水深が分からないので、基本的にはへつり中心で淵を越える。


そして21時近くにようやく古礼沢/水晶谷の出合のテン場に到着。
焚火も出来ず、震えながら眠りについた。


翌朝、古礼沢に入り最初の10m滝を越える。


昨日とは打って変わって癒しの渓相。


連瀑も出てくる。


ナメを歩く。苔が美しい。


癒しのナメロードを越えると水が涸れていき源頭の雰囲気に。

藪を漕ぎながら高度を稼ぐと古礼山と水晶山のコルに出る。
記念に古礼山をPHして登山道経由で下山した。
増水でグレード以上の難しさを感じたが、通常の水量ならば“悪場”の通過以外、問題になるところはない。
本谷なので少しの雨では水量に影響しないが、まとまった雨が降った後の入渓には注意が必要だ。

コースタイム

1日目
駐車場5:30―入渓6:20―箱淵10:00―悪場17:30―テン場21:00

2日目
起床7:00―出発8:00―古礼山14:00―駐車場17:00

装備

フェルトソール靴、50mロープ、カム、ハーケン