谷川・奥利根の沢

谷川 赤谷川本谷

いくつもの名瀑を連ねる谷川屈指の名渓。

登攀的な前半部、天国のような癒しの後半部と変化に富み、遡行者を飽きさせない。

谷川 赤谷川本谷 遡行記録

2020/8/14-15 1泊2日 晴れ/曇りのち晴れ

メンバー:ケーシ、シュカ

遡行グレード:3級上

前回の大畠谷から諸々あって少し日にちが経過してしまったが、 ようやく本格的に沢登り月間に突入。まずは五十沢の足慣らしということでまだ未遡行の赤谷川本谷に向かった。

川古温泉に到着するとお盆休みで駐車場はかなり混雑。 一通り皆さんが出発するまで仮眠をしてからノロノロ仕度をして出発。

相変わらずの長ーい林道&登山道歩きで入渓地点に到着。 何パーティかいるかなと思ったが、我々だけのようだ。

仕度をして遡行開始。少し歩くと淵が出てくる。極力濡れないように通過。

どん詰まりにマワット下ノセンが現れる。 簡単に登れそうなので各自適当に登ろうとするが、どこに取り付いてもメチャクチャ滑る。。

という訳で、一段上がったところから無難にロープを出すことに。


バンドをトラバースしてから滝の左側を直上。 登り自体は簡単だが、ヌメリにかなり気を使う。

上部は乾いた岩を駆けあがって登攀終了!

滝上は明るく開けた谷川らしい景観。

少し歩くとマワットノセン。 どこにでもありそうな10m級の滝と言った感じで思ったより迫力に欠ける。

落ちてもドボンなのでノーロープで直登。ここも下部は中々滑る。

上部は乾いていて快適。

マワットノセンを越えるとしばらく巨岩帯歩き。

途中に出てくるこの滝は左から巻き気味に越える。

炎天下の中、ひたすら巨岩帯を歩いて行くと徐々に側壁がそそり立ってきた!

奥に裏越ノセンが現れる。中々の迫力!

ここは左岸のバンドから登る。

1p目は左上気味に登り、残置スリングのあるテラスでビレイ。

フォロー中。左側はスッパリ切れ落ちていてかなりの高度感。


2p目はそのままバンドをトラバースして、最後は慎重に滝に向かってクライムダウン。 流心を渡って灌木でビレイ。

フォロー中。遠目には悪そうに見えるが、少しヌメル事以外はそんなに難しくない。

滝を横断中。とても水流沿いは登れる気がしない。 そのまま直上して藪に入り巻いて行く。

巻き上がって落ち口に到着。

裏越ノセン上の4m滝前には絶好の幕営地がある。 ここに泊まってゆっくりして行きたいところだが、まだ時間も早いので先に進む。

5m滝は左から登る。

ドウドウセン前の7m滝。右から水中バンドを歩いて滝に近づく。

ヌメヌメだが、概ねガバで登りやすい。落ち口が少し悪いので、シュカさんにはお助けを出した。

 そして前衛滝を越えると側壁が立ってきて威圧的な地形に。 ドウドウセンのG滝が姿を現す。

少し休憩してからロープを出して取り付く。 1p目は右から取り付いて上部のテラスを目指していく。 が、最後のハンドトラバースが怖いらしく途中のリングボルトでピッチを切っていた。

フォロー中。

2p目はケーシにリードを交代して、ハンドトラバースをこなしテラスまで。 奥に進むとビレイして下さいと言わんばかりのリングボルト×3があるのでここでピッチを切る。

G滝上部を眺める。


3p目。G滝の直登は無理そうなので、定石通り右壁のぬるぬるクラックから登る。 下部の2ポイント人工をこなしてから悪いフェースを登り、上部の灌木帯まで。

後続はユマールで上がってきてもらう。 荷上げで少しトラブルがあり、このピッチだけで2時間近く消費してしまった。

気を取り直して4p目。灌木伝いに藪を直上。

安定したテラスに到着。ここで一旦ロープ解除。

ここから再びゴルジュに戻れそうだが、 さっきのピッチで時間を食ってしまったのとそのまま簡単に巻けそうなのもあり、残りは巻いて行くことに。

巻き途中からゴルジュ内を覗く。

スラブが対岸に見える辺りから懸垂で沢床へ。 ドウドウセン出口の少し先に降りた。

記念にドウドウセンの出口を見学しに行く。 口無しの釜という不思議な景観を持った滝を見れて満足。

ドウドウセン上は河原になり、この辺は幕営適地になっているようだ。 地形図を見るとまだ沢の半分くらいしか進んでいないので、先に進むことにする。

少し進むと淵を連ねた8m滝。ここは右岸から巻いた。

巻き終えると美しい渓相が迎えてくれる。

さっきまでの険しさが嘘かのような癒し要素100%の渓相。

谷川の沢でも確実にトップ3に入るであろう素晴らしい後半部だ。

しばらく癒しの渓相を進むと沢は再びゴルジュ地形に。


簡単なゴルジュを淡々と進んで行く。

ゴルジュを抜けた辺り、co1440付近の河原で本日の行動を終了。

ここは木がほとんど無くて焚火は出来ず。 焚火を楽しむならドウドウセンを抜けた先の河原がベストだと思う。 バーナーで夕食を作っていたらガス欠になってしまったので、翌日分の食料も無理やり掻き込んで就寝。

翌朝はガスガス。

晴れていたら美しいであろう源頭部を詰めていく。

相変わらず滑りが酷いが、難しい箇所は無く黙々と高度を稼ぐ。

ほぼ面倒な藪漕ぎ無しで草原に出た。

登山道に到着。視界は0だが涼しくてちょうど良い。

翌日以降、沢の予定が詰まっているため足を温存すべく帰りはロープウェイ下山を選択。

8時くらいからガスが取れてきてかなり暑かった。

美しい主稜線を眺める。

登山者で本格的に混雑する前にロープウェイ駅に到着。その後車を回収しに向かった。

何かの本に谷川連峰に名渓有り!と絶賛されていた赤谷川本谷は確かにその通りで変化に富んだ良い沢だった。 前半の各滝はどれも巻けるので、技量に応じた楽しみ方が出来ると思う。 通年なのか、時期的な問題なのか、滑りが中々酷いので少々気を使う場面が多かった。

コースタイム

1日目 川古温泉5:20―入渓地点7:40―マワット下ノセン7:50―マワットノセン8:40―裏越ノセン10:00―ドウドウセン12:20―ドウドウセン上16:00―幕営地18:00 2日目 起床4:00―出発5:00―登山道7:00―肩ノ小屋8:20―ロープウェイ駅9:40

装備

ラバーソール靴、50mロープ、カム・ハーケン、アブミ