磨かれた白い花崗岩で構成された、非常に美しいゴルジュ。
ショルダー、人工登攀、ハンマー投げなど色々な技を駆使して突破していく。
短い遡行距離に内容がギッシリ詰まった面白い沢だ!
大崩山 祝子川ゴルジュ 遡行記録
2019/5/16 日帰り 晴れ時々曇り
メンバー:シュカ、他1名
遡行グレード:3級
九州に来たら絶対に遡行したいと思っていた祝子川。
ここ数日天気が不安定だが、水位を見てみると意外と増えていないようなので決行することにした。
車で大崩山(祝子川)登山口へ向かう。 狭いところもあるがしっかり舗装されていて走りやすい道だった。 大崩山は意外と人気の山のようで、私たちが到着した時にはすでに4台ほどの車が停めてあった。
準備を整えて登山口へ向かうと、「三里河原コース 通行不可」の文字が。 去年の秋の台風で道が崩落したらしい。 そのコース通るんですけど…。と少し嫌な予感がしつつも行くしかないので出発する。
一般登山道にしては険しい道を一時間ほど歩く。
ここまでは特に荒れている様子はなく、無事に入渓点の喜平越谷に着いた。
ウエットスーツを着込み、沢を下っていよいよ祝子川へ下りる。
マシュマロのように真っ白い岩がゴロゴロしている。
こんなに白い岩はあまり見たことが無い。 ラバーソールのフリクションもバチ効きだ。
しばらく進むと早速プチゴルジュが現れる。
暑くて早く水に浸かりたかったので、泳いで水線突破を試みる。
しかし、残念ながら小滝が突破できず、結局戻って左岸から巻いた。
巻いた上から見てみると、奇観が広がっていた。
岩が波のように削れていて、なんとも芸術的だ。
10m程の淵を泳いで越えると、両岸が切り立ってくる。
その先で狭い谷に挟まった大岩をいくつか越える。
綺麗なエメラルドグリーンの釜を持つ6m滝。
滝の横にも直登用にボルトが打たれているらしいが、右岸のスラブを人工登攀で高巻くことにする。
高い位置にガバがあり、ショルダーで乗りあがった。
そこから上はリングボルトが打たれており、アブミを使って登りそのまま灌木帯へ抜ける。 後続はユマール。
岩壁を回り込むように尾根を越えて、懸垂下降で沢へ復帰する。
やはり止まっている時間が長いと寒い・・・。 震えながら着水する。
降りてすぐのCS三兄弟は、正面の微妙なスラブを登って岩の上を伝い突破。
ラバーソール様様である。
そのあと急激に沢幅が狭まるが、まだつっぱれる程ではないので寒さに悶絶しながら泳ぐ。
名物の「30cmゴルジュ」に到着! 両岸でつっぱり、色々体勢を変えながら前進する。
確かに一番狭いところは30cm程度・・・、こんなに狭いゴルジュは初めて!
この先はゴルジュ内に岩が折り重なって、まるで迷路のようになっている。
岩の隙間をほふく前進したりと、楽しい箇所だ。
どうにもフリーでは越えられなそうな滝に出くわした。 ここはハンマー投げの出番だ。
ハンマーを上手く引っ掛けユマールで登り切ると、そこにはただ置いただけのようにハンマーが横たわっていたそうな…。
投げたハンマーがどう引っ掛かっているかは、あまり考えない方が良いようだ。
その後一か所ショルダーで越え、ようやく岩の迷路から抜け出した。
普段の沢ではあまり出番のない方法をフル活用できて面白かった。
最後にミニゴルジュをひと泳ぎ。 切り立っていた両岸は低くなり、次第に河原状になっていくと登山道と合流する。
さて、後は一般登山道を下るだけと思っていたが、下山核心だった。
岩壁をトラバースする地点に設置されていたと思われるハシゴやロープが無い。
そういえば登山道崩落したって書いてあったなぁ…。
仕方なく岩壁の高巻きに入ると、赤テープを発見したためしばらく辿る。
その後適当にトラバースして喜平越谷に下り、そのまま下って登山道に合流した。
下山がちょっと面倒だったものの、その渓相や内容は素晴らしい沢だった!
忘れたころにまた来たいくらいだ。
コースタイム
大崩山登山口8:10ー喜平越谷9:20ー入渓9:30ー6m滝 10:30ー30cmゴルジュ 12:20ー吐野14:00ー大崩山登山口16:50
装備
ラバーソール靴、50mロープ、アブミ、カム・ハーケン(未使用)、ウエットスーツ、ライジャケ