丹沢の沢

裏丹沢 小屋戸沢左俣

脱出困難な滝広場を擁する上級沢。

とにかくすべてが脆い!玄人向け。

道志川 小屋戸沢左俣 遡行記録

2023/04/16 日帰り 曇り

メンバー:ケーシ、シュカ、その他1名

遡行グレード:2級上

ヤマレコ界隈をザワつかせている沢モンスター、tamoshima氏との初沢登り。
彼とはGWに台湾へ沢登りに行くため、その顔合わせも兼ねて一緒に登ることになった。
当初は泊まり沢の予定だったが、天気が悪いので日帰りで丹沢へ。
場所はtamoshima氏チョイスの小屋戸沢に行くことに。上部は水線通しで遡行されている記録がないとかで、そこを解明するのが今回の目的だ。


近くのセブンに集合し、起点となる駐車場へ。
日曜という事で既に駐車場はハイカーで一杯。微妙なスペースに何とか車2台をネジ込む。


支度をして遡行開始。噂の?手書き遡行図を早速書き始めているtamoshima氏。


沢の前半は平凡な区間が続く。


結構ヌメって歩きにくい。フェルトで来れば良かった。


しばらく進むと滝が現れ始める。


立派なゴルジュも出現。


内部に突入。


前半の核心となる2mCS滝。左のスラブはヌメヌメで諦めた。


巻くもの面倒なので、覚悟を決めて泳いで取り付く。盛大にシャワーを浴びて越えた。
泳ぐつもりの無かったケーシは薄着で来てしまい、この後から震えが止まらず。。


ここは水流左から。


ここも左から。前半の楽しい区間は正直ここだけ。
 
大きな1枚岩が特徴的な滝。


登るtamoshima氏。我々は巻いた。
 
途中に出てくる巨大堰堤。この上で伏流し、水のない沢筋をしばらく進んで行く。


左俣に入ると水が復活し、険悪な渓相に変化。


4mCS滝は左からシャワーを浴びて登る。寒すぎる。


続く滝も左から。


2段の逆さくの字滝。この辺から側壁が立ってきて容易に逃げられない雰囲気になる。


脆いホールドに気を使いながら登って行く。


滝広場前の4m滝。


左から登る。ここを登ってしまうと引き返すのが中々難しくなる。

 
ようやく滝広場が見えてきた。


本日の核心?滝広場に到着。
左右から20-30mクラスの滝が流れ落ち、それなりに立派な景観。
  
記録で見ていた通り、滝横のルンゼから巻いて行くことにする。


傾斜が緩そうなので各自フリーで取り付くが…。どんどん傾斜が立ってきてロープを出すことに。


先頭に居たtamoshima氏がそのままリード。
どうやら見た目よりもかなり悪いらしく、じっくり時間をかけて登って行った。


フォローで取り付く。途中から傾斜が立ってくるのは良いとして、とにかく岩が脆い!
こんな所、ロープ無しでは絶対ムリ!いやロープがあってもリードしたくない!
そのくらい悪いです。


ラストで登って来たケーシはホールドを破壊しまくり、出現した外傾スタンスをホールドにして登ってきた(笑)
後で記録を見返すとやはり皆さん同じ場所を登っているようだが、ここまで悪いとは書かれていない。ここ数年でかなり崩壊が進んだのだろうか。。
 
無事に登攀を終えて、今回の目的である上部の遡行に移る。
他の記録だと滝広場からそのまま尾根を登って遡行終了しているようなので、沢に戻りにくい地形なのかと思っていたが、すんなりトラバース出来て拍子抜け。


落ち口。もう一つ沢を跨ぐ。


少し休憩して上部遡行開始。


tamoshima氏の狙い通り、上部には立派な滝が出てきた。
激シャワーで水流沿いを登れなくはなさそうだが、流石のtamoshima氏もここは巻くと言う。少しホッとする。


大きく巻くという案も出たが、復帰が大変そうという事で左のルンゼから登ってみる。


ルンゼの中に入って行くと案外簡単に滝上に出られた。相変わらず岩は脆いが…。


その後は特に難所無し。


楽しくお喋りしながら遡行していく。


最後の二俣は右へ。


倒木が気になっていきたところで尾根にあがる。


無事に登山道に到着。2回目の沢にしてはハード過ぎて心身ともに疲労困憊。
帰りは釜立沢を下降する予定だったが、道を間違えたという事もあり、登山道で下山。

お腹一杯になって駐車場に帰還。
時間があったので近くの七滝を偵察しに行き(登れるような滝ではなかった)、解散。
久しぶりに丹沢の悪い所を詰め合わせたような沢に行けて充実?大満足。

沢自体は全体的に脆く、崩壊が進んでいるため、丹沢の沢を制覇したい人以外にはおススメしない。
丹沢だからと言って安易に入らない方が良い。滝広場の巻き道は別のルートを探った方が良さそう。

コースタイム

駐車場8:00―二俣9:30―滝広場10:30―登山道14:00―駐車場15:00

装備

ラバーソール靴、30mロープ、カム・ハーケン