南アルプス・富士山周辺の沢

南アルプス 栗代川

ゴルジュ帯の釜や淵は埋まり、沢自体の難易度は昔より下がったようだ。

ただ、下山の林道が荒れ放題で全体の難易度はトントン?

なかなかにハードな山行だった!

栗代川 遡行記録

2017/8/25-26 1泊2日 晴れ/曇り

遡行グレード:3級上

メンバー:シュカ、ケーシ、他1名

奥泉駅で前泊。翌朝、栗代林道ゲート前の駐車スペースに移動し行動開始。

 林道を歩いていると、途中に廃バスが。
云十年前は車が走れる程綺麗な林道だったのね。

 1時間ほど歩いたところから、沢へ下る。

 休憩してからスタート。
非常に暑く、泳ぎ沢日和だ。

 堰堤を越える。

しばらく河原歩きだ。

 少し川幅が狭くなる。


崖が霧を噴いているような、幻想的な場所だ。

 両岸しましまで不思議な景色。


流れが速く、気を抜くと流されそう。

 流れの緩いところにいっぱい魚がいたので、3人で追い込み漁したら捕れた!

 門のように両岸が切り立ち、いよいよゴルジュ突入。
それにしても水の色が綺麗。

鶴の天は釜が埋まり、歩いてとりつけてしまった。

 一見難しそうだが、左からへつって突破。

 木漏れ日、蝉の声、滝の音・・・
夏を満喫しながら進む。

 水線突破はまず無理な水量。
左岸から巻いた。

 次の滝もとんでもない水量!
これも巻き。

 ようやく登れる滝が出てきた。
左右どちらも登れる。

右のへつりの方が難しそう。

 敢えて水に入らないと、意外と泳ぐところがない。

 再びゴルジュ状だが足はつく程度。

 水線突破を楽しむ!

 ようやく核心のゴルジュに突入。
ここまで長かった!

 龍言淵という名の淵。
ようやく泳ぎ!ということで存分に遊ぶ。

 左右どっちも行けた。
右岸はホールドが細かい。
左岸は落ち口へ乗りあがる一手がパワー勝負。

長い河原歩きの末ようやく水と戯れたが、冷たすぎて3人とも足をつる。笑

 両岸は切り立ち、逃げ場のない隙間へと進んでいく・・・

 ツルツルに磨かれているが、ラバーソールがバチ効きだ。

 そこまで困難なところもなく、楽しんで遡行していく。
それにしても面白い地形だ。

上に上がって振り子トラバースするらしいが、水線沿いに行けた。
確かにフェルトだと厳しいかな。

 ついに核心の3m滝に到着。
洗濯機の釜のように白泡立っている。
ここまでが簡単だった為、この滝も余裕だろうと取り付くが進めない・・・


この辺りから壁を蹴り、流心を渡れないか試したが無理!
流され、凄まじい水圧で壁に押し付けられ、危うく溺れるところだった。
ライジャケ着てても危ない。

釜の縁をへつれるところまで行って、ジャンプで流心を飛び越える作戦も敢無く失敗。

 水線突破は諦め、右壁を人工登攀。
後続はユマールで上がる。


懸垂で沢に戻る。
残置ハーケンがあったが、懸垂してたら一つ抜けた!
打ち足して正解。

 核心を抜けるとすでに16時半・・・
2時間半も戦っていたようだ。

 寒くて水に浸かりたくないが、ゴルジュは続く。

 泳ぎたくなくなってから、泳ぐところがたくさん出てくるとは・・・笑

ようやくゴルジュ帯を抜ける。
沢が穏やかな河原状になった辺りで幕営。

 魚影はたくさん見たので、釣りをしてみたらやっぱり釣れた!

焚火で美味しくいただいた。

朝はのんびり8時ごろ出発。
もう難しいところはなく、普通の河原歩きだ。

 いくつか簡単な小滝を越える。

 出発してから1時間半ほどで倉沢橋に到着。
かろうじて引っ掛かっているだけのようで、乗ったら崩れそうで怖い。

 橋は自然に還りつつあった・・・

橋上から上流を見ると、小滝が続いて楽しそう。
もう来ないと思うけど・・・。

 さて、下山は楽々林道歩きだと思ったら、道が無かった!

 谷地形を横切る所は、ことごとくザレで埋まっていた。

ミスったら死のザレトラバースを何度も繰り返す。

 斜度がヤバイ。
滑ったらなすすべなく、下まで落ちてしまうだろう・・・
しかもトゲ植物しか生えておらず、草も使えないし最悪だ。

ほおしろ橋に着いた時にはすでに13時。

 林道歩きでまさかの懸垂下降。
50mロープでギリギリだった。
トラロープが設置されていたが、垂壁だし怖すぎて使えない。

ようやく歩きやすくなってきたが、足裏がペラい沢タビで来てしまったため、普通に歩くだけでも足裏が痛い。
ザレ斜面、トゲ植物、足裏痛の三重苦でメンタルがヤバイ。

まだまだ厄介な大崩壊地が!
真ん中に道路標識かミラーの残骸、崖の向こうに崩れた道の端が見えている。
左から大きく巻いて通過した。

そんなこんなで、駐車スペースに戻った頃にはもう薄暗くなっていた・・・。
今までで一番最悪の林道だった。
沢より下山が核心だと思う。

コースタイム

1日目
7:30 駐車スペースー9:00 入渓ー10:40 鶴の天ー13:30 龍言淵ー14:00 洗濯機のような3m滝ー16:30 3m滝上ー17:00 ビバーク地、行動終了

2日目
8:00 行動開始ー9:30 倉沢橋ー13:10 ほおしろ橋ー16:40 大崩壊地ー18:00 駐車スペース

装備

ラバーソール靴、50mロープ、カム類、ライジャケ、ライトネオプレン上下