その他の沢

台湾 雪白溪~詭峡~三光溪

台湾を代表する渓谷とその支流を含めた周遊コース。

沢の中で2つの温泉が楽しめる。

台湾 雪白溪~詭峡~三光溪 遡行記録

2023/04/30-05/02 2泊3日 曇り/晴れ/晴れ

メンバー:ケーシ、シュカ、他2名

遡行グレード:???

山羊峽谷の翌日は台湾で代表的なルートとされている三光溪を絡めた周回へ。
三光溪近くの拉拉山に宿をとり前泊。翌朝、入渓地点である新興温泉の遊歩道に向けて車を走らせる。
元々は三光溪~雪白溪~詭峡の順で周回する予定だったが、北横公路が大規模工事で通れる時間が限られており、
急遽、沢までの遊歩道が整備されている雪白溪をスタート地点とした。


新興温泉の駐車場は1日100元と書かれているが、徴収する人はおらず、書置きだけして出発。(3日後に下山した時も誰もおらず、結局お金は取られなかった)


整備された激下り遊歩道を歩く。これは帰りの登り返しがキツイなぁー。
沢の近くまで降りて行くと温泉に入りに来たと思われる人が東屋でテント泊をしていた。
中国語が分からないので特に会話せず通過。


沢に降り立つ。
すぐ下流が温泉になっているが、最後のお楽しみにとっておく。


身支度を整えて遡行開始。
今日は昨日の沢のヌメリ具合から判断して全員フェルトソールだ。


いきなり泳ぐ。


すぐに平凡になった。


しばらく河原歩き。


目的の二俣を左へ。雪白溪の支流に入る。


この辺は残置ロープがあったりで人臭い。しばらくゴーロが続く。
 
とにかくゴーロが長いので、これは来る沢を間違えたか?と思い始めた頃にようやく滝が出てきた。


久しぶりの滝に歓喜。快適に登る。
 
倒木が挟まった滝。どこを登ろうか?


水流際を快適に登れた。


次第にゴルジュが現れ始める。


ゴルジュ内に滝は無く容易に通過。


ここは泳いで取り付き、シャワーを浴びて登った。こういうのを待ってました!


ゴルジュ地形は続く。


2条?3条?の滝は中央から登る。全体的にヌメルがフェルトソールなら問題なし。


ここは水線沿いに突破。最初のゴルジュはちょうど良く登れる滝が続いて面白い。
これで登れない滝が出てこようものなら、かなり大変な高巻きを強いられたであろう。
 
ここも各々好きな所を登る。


少し穏やかな渓相に変化。


泳いで取り付き登る滝が多い。


ゴルジュが終わるとしばらく河原。


滝はたまにしか出て来ない。


加えて巨木が沢を埋め尽くしており、通過が非常に厄介。
屋久島の巨岩帯を倒木バージョンにした感じ。とにかく気を使った。


倒木に難儀しながら進むと悪そうなCS滝。ここから後半のゴルジュ帯に突入。
tamoshima氏が空身で取り付くが、悪いらしく諦めて帰って来た。ケーシも取り付くがドボンして即帰宅。


唯一の弱点である左から巻いて行く。グズグズで嫌らしい。
シュカは登れずケーシがロープを出して引き上げた。


続く滝も中々悪そうだったが、先行していた2人がお助けロープを設置してくれていたのでゴボウでササっと登る。


ここも中々立派なゴルジュ。奥にはシャワー必須の滝が見える。


盛大にシャワーを浴びて突破。


その後、悪い2mCS滝を左から巻き気味に越えると屈曲部に大きな滝の気配が…。
先に進むと20mくらいの滝が聳え立っていた。これは登れない。。


美しい釜を持った端正な滝だ。少し戻って右岸から高巻いた。


沢に戻ると相変わらず巨大で大量の倒木が立ち塞がる。奥にある滝を正確に視認出来ないほどだ。


倒木のかかるこの滝は左から登る。
男性陣はフリーで、シュカにはお助けをだしてもらった。


最後の綺麗な釜を持った滝は右岸巻き。


水量がグッと減り、源頭の様相へと変化。


ジャングル感強めの源頭部。
腐った倒木で踏み抜きが多い&トゲ植物が体に巻きついてきて、非常に歩きにくい。
途中、地図にも載っている林道を通過したが、完全に廃道と化していた。ここを使ってのエスケープは困難であろう。


稜線に到着。しばらく休憩して下降に移る。


沢下降は途中まで登山道があるようなので、それを使っていくことにする。
ここも廃道でしょと思っていたら途中から目印のテープが現れ始め、そのまますんなり林道に合流。


林道から少し藪を漕ぐと巨大なスラブ帯が出てくる。脇の藪を使いながら下降して行く。


スラブ帯を下降し終えると沢はスリット状のゴルジュ地形に。


慎重にクライムダウンして行く。幸い、懸垂する程の面倒な滝は無かった。


日暮れ前に出合に降り立った。

出合から少し進んだ所で本日は行動終了。焚火をして眠りにつく。


翌朝は予報より天気が良く、気持ちも明るい。


いきなり大きめの滝現る。


懸垂で降りて行く。


次も念のため懸垂。ここを越えるとしばらく河原。


途中、漁の仕掛けやゴミなどが河原に落ちていた。ここら辺は結構人が入っているみたいだ。どこかに道でもあるのだろうか。


平和過ぎる沢を進む。


ようやくゴルジュ地形に。


大きな滝は無い。ひたすら泳ぎ下る。


日が差すと中々綺麗だ。


ここは飛び込みで。


飛び込んだ滝を振り返る。登るとなると苦労しそうな滝だ。
 
渓相は素晴らしいが滝が無い。単調な下りが続く。
  
三光溪の出合まであとわずか。


この辺りは沢幅が狭まり、そこそこ立派な景観。


ゴルジュを振り返る。


三光溪の出合に到着。
出合付近は等高線が詰まっているので何か出てくると思っていたが、ただの河原だった。
詭峡は地形図から何となく想像出来たが、かなり平凡だった。下降に使って良かった。


気を取り直して三光溪の下降に入る。
三光溪傳統段はその名の通り、台湾では代表的な渓谷のようだ。日本人が遡行している記録もいくつか散見される。


かなり泳ぐと思っていたが、前半は超癒し系。(河原も長い)
このままでは昼くらいに幕営地の四稜温泉に着いてしまう。


大渓谷の雰囲気。


側壁が立ってくると四稜温泉は近い。


四稜温泉に到着。まだ時間的に早いが、本日はここで行動終了。


荷物を降ろして早速温泉へ。


温度は超適温。天然打たせ湯から大小様々なお風呂までバリエーション豊富。


日が暮れるまで温泉を楽しみ、疲れを癒した。


2日目はこれにて終了。


最終日の3日目。朝一から泳ぎ。温泉で体を温めてきたが、一瞬で冷えた。


とにかく泳ぐ!


日が当たって心地が良い。


遡行だと核心になるらしい1m滝。楽々流されて通過。


次はこの沢最大の滝が出てくる。左岸から懸垂で降り立った。


まだまだゴルジュが続くものと思っていたが、いきなり沢が平凡になってしまった。
もう三光溪の核心部は終わってしまったようだ。
正面の山には民家が見え始め、おまけに電波まで入る。スマホをいじりながら歩く。


雪白溪出合に到着。あとはここを遡行して初日の温泉に浸かって帰るのみ。


巨大な古びた堰堤。下を潜って通過。


ここも河原歩きが長いが、ナメが出てきたりで中々景観が良い。


振り返る。ここだけ切り取ると凄く良い沢なんだけどな…。


綺麗な淵もある。


せっかくなので泳いで遊ぶ。


あとは心を無にして進むだけの消化試合と思っていたが、徐々にゴルジュ地形に変化。
何か出てきそうな予感。


普通に悪そうな滝が出てきた。左には高巻き用の残置ロープがある。
奥には明らかにシャワーを浴びる系の滝も見えるが、とりあえず近づいてみる。


爆水シャワー必須だが、何とかなりそうだ。同行の2人が空身で先行し突破。
シュカはロープ要求のため、ケーシがロープを引いて取り付く。
猛烈なシャワーを浴びて突破した。
 
落ち口より。この沢は最後の最後に突破系ゴルジュ(超短い)があるだけだった。


ゴルジュを抜けると温泉が見えてくる。初日の場所に戻って来た。


最後の温泉タイム。


ここも良い湯だ。しばらく楽しんだ後、地獄の下山(登りだけど)をこなして駐車場へ。
無事に台湾での沢旅が終了した。

今回辿ったルートは全体的に河原比率が高く、突破系を好む我々には少々物足りなかったが、台湾の渓谷を遡行出来たことは沢人生において良い経験になったと思う。
そして改めて日本の渓谷の素晴らしさを実感出来る良い機会にもなった。
これで台湾の沢旅は終わってしまったが、また機会を伺って近いうちに足を運んでみたいと思っている。パートナー募集中。

コースタイム

4/30
駐車場6:20―入渓点6:40―稜線15:00―テン場18:00

5/1
出発6:50―三光溪出合11:00―テン場(四稜温泉)12:40

5/2
出発7:30―雪白溪出合10:10―新興温泉12:10―駐車場13:40

装備

フェルトソール靴、50mロープ×2、カム・ハーケン、ウェットスーツ(シュカのみ)