上信越・越後の沢

平ヶ岳 シロウ沢ワカゴイ沢

平ヶ岳につめあがる、行程が長く体力勝負という印象の沢だ。

渓相はとても良く、核心といわれる80mゴルジュも登りごたえがあり面白い。

・・・雨でビバーク地が水没したのも、終わってみればいい思い出だ。

只見川 大白沢シロウ沢ワカゴイ沢 遡行記録

2017/9/20-21 1泊2日 曇り/雨

遡行グレード:4級

メンバー:シュカ、ケーシ

相変わらず連休をとった日に限って天気が微妙である。
予報では1日目の夜に少し降られそうな感じだが、朝には止みそうだ。
そこまで大雨にはならないだろうと、決行することにした。

平ヶ岳登山口で前泊し、翌日砂子平に車で移動。

 白い家の脇から入渓!

 ひそかに楽しみにしていた籠渡しは発見できず、普通に渡渉することに。
流れが強くて意外と苦労した。

 只見川から大白沢へ入ると流れが穏やかになった。

 小一時間ほど河原を歩くと、沢はゴルジュ状になる。

左側をへつって通過していく。

 いきなり凄い景観で、ワクワクしながら進むが・・・。

 最初のゴルジュを抜けると穏やかになり、

再び小一時間ほど河原歩きだ。


たまにでてくる小滝を楽しみつつ進む。


左に大ハゲ沢を見送り、ワカゴイ沢に入る。
小滝も淵が深く、左からへつって突破する。

 これまた釜が深くて取り付けない。
左から巻き。

 川幅が狭くゴルジュっぽいが、開けていて明るい渓相。


直登はできない滝が多く、巻き巻きだ。

そういえば水は綺麗なのに魚はいなかった。

いよいよどうにも濡れないと進めない箇所が出てきた。
腰まで浸かって取り付き、左から突破。

続く小滝も釜が深い!
さらに胸まで浸かって非常に寒い。


さらに水線突破で越えるしかない滝が、寒さに追い打ちをかけてくる。


つっぱりで滝を越えると、次は長い淵があらわれる。
泳ぐのはご勘弁を~


小さく巻けて一安心。

両岸はさらに切り立ち、いよいよ核心の80mゴルジュだ。


細い廊下状の右壁をへつり、滝の落ち口へ向かう。


進んでいくと残置スリングが見えた。
これを鷲掴みにして突破するらしい。
スリングはボロボロだし、ハーケンもひしゃげていて、いつ抜けるかわかったもんではないが・・・


スタンスは確かにあるけど、ハング気味。
スリングに全体重を預ける形になってしまう。

 結局、一旦空身で行ってから荷上げして突破した。
しかし・・・残置無かったら無理だなこれは。最初に工作した人に感謝だ。

 次のCS滝も、右壁から落ち口に向かってトラバースだ。

また空身で行って荷上げするのも時間がかかるということで、
とりあえずフリーで行ってみることに。

ホールド・スタンスは細かいし、荷物も重いしで必死のトラバース。
落ち口への最後の一歩がジャンプというのが、また怖い。

 この滝を越えると80mゴルジュクリアだ。

ゴルジュを越えても滝場は続く。


いやらしいと評判の2段18m滝だ。
1段目は問題なく突破。

 2段目は念のためロープを出しリードする。
残置ハーケンに乗ってから先にホールドが無く、靴のフリクションだけで登らなくてはならず、勇気が要った。

 綺麗な2条の滝は左から巻き気味に登る。

 ほどなくして赤芝沢出合。
スノーブリッジが残っていた!

左のワカゴイ沢には雪渓はなく、ホッとする。

 堰堤みたいな滝だ。
右から簡単に越えられた。

20m滝は左岸から巻き。
懸垂で沢に戻る。

 再びゴルジュに突入だ。


つっぱりでとりつき、右壁から登る。
なんだか寒さで思うように動けなくなってきた・・・。
お助け紐を出してもらって突破。


そして次の滝。どうあがいても濡れる~

さ、寒すぎる!!
少し泳いで滝に近づき、右壁に取り付いて突破。

第2ゴルジュ最後のCS滝は、リーチ不足でつっぱりができず非常に苦戦した。
お助けヒモを出してもらおうにも、ケーシはさっさと先に行ってしまって戻ってこない・・・
20分程ねばり、全身水を浴びながらなんとか突破。


ゴルジュを過ぎると一旦河原状になるが、すぐに10m滝が出てきた。
右から巻いた。


傾斜の緩い快適な滝が続く。

 テン場を探すが、なかなか見つからないまま標高をかせいでいく。

 ヌメリが気になるようになってきたのか、チェーンスパイクを装着。
チェーンスパイクはヌメリにも有効だ。


8m、5m滝はまとめて左から高巻いた。

1750m付近、18m滝下で左岸に二人横になれるスペースを発見し、行動終了。
18時過ぎから結構な雨が降ってきて、弱まる気配がないまま降り続く。
とりあえず寝るが、増水が心配で寝たり起きたりを繰り返す。

翌朝、ついにテンバが水没!昨日の薪が流されかかっている。
あわてて撤収!

 まだ4時で辺りは暗い。ヘッテン藪漕ぎで18m滝を巻き、そのまま枝沢に入る。
枝沢もかなりの水量だ。


雨はやんでいるし、結構上流なのに、この水量はやばい。
昨日あまり頑張らずに下の方でビバークしてたら、流されてたかも。

1時間ほど強烈な藪漕ぎ・・・
本流をつめていれば、藪漕ぎなしで平ヶ岳に上がれていたのに~


ガスでよくわからないが、とにかく標高の高い方を目指す。

ようやく、綺麗な草原に出た。
トポのフィナーレ草原を楽しめたのは1分ぐらいだったなぁ・・・。

 木道に着き、とりあえずは一安心。

 百名山ゲット。
寝不足でお疲れの上、これからの長い下山にゲンナリといった顔だ。

 展望もないし、すぐに下山。
かなり歩きやすい道で助かった!

 なんと・・・、下の方は晴れていた。


気持ちのいい稜線歩きだが、疲れていて楽しむ余裕があんまりなかった!

5時間ほどかかって下山。
いやー、しんどかった!今までで一番疲れた沢だった。
天気に恵まれないと大変だなぁとつくづく感じた。

コースタイム

1日目
6:00 入渓ー8:50 大ハゲ沢出合ー11:00 80mゴルジュー11:40 ゴルジュ出口ー12:40 赤芝沢出合ー14:00 第2ゴルジュー14:45 第2ゴルジュ出口ー16:00 18m滝下ビバーク地、行動終了

2日目
4:20 行動開始ー7:50 平ヶ岳山頂ー12:40 平ヶ岳登山口

装備

ラバーソール靴、50mロープ、カム類(未使用)