東北の沢

鳥海山 檜ノ沢(ひのそ)

鳥海山で静かな山旅を楽しみたいなら檜ノ沢(ひのそ)!

沢登りというよりバリエーションルート的な内容。

源頭部の景色は最高!

鳥海山 高瀬川檜ノ沢 遡行記録

2021/7/31 日帰り 晴れ

メンバー:シュカ、ケーシ

遡行グレード:1級上

梅雨明けしたのに天気が不安定な日々が続く…。
ひとまず天気がまだマシだと思われる東北へ。

2人とも鳥海山に登ったことが無いということで、鳥海山の代表的な沢、檜ノ沢(ひのそ)に行くことになった。
通常は1泊2日、鳥海山のピークハントをするとなると2泊3日で行くのが無理のないプランだが、一日しか晴れがない。
しかし、この機を逃したら鳥海山に登ることは多分もう無いかも…ということで、日帰り強行プランで行くことに決定。

一ノ滝駐車場を過ぎた、車道の行き止まりに駐車。
しばらく登山道を歩く。

途中の分岐で万助道方面へ進み、40分ほどで檜ノ沢(地形図上では南折川)に登山道が横断する地点に到着。
通常はもう少し登山道を上がってから入渓するようだが、ゴルジュがあるらしいのでここから入渓。

どんなゴルジュが待っているのか?
河原状を歩いていくと…

苔むしたゴルジュが現れた。
水量が少なく迫力は無いが、なかなかの異空間。

暑いので釜で泳ぐ。
通過困難なところは無く、登れない滝も簡単に巻ける。

CS滝を巻いた所で、先に長いゴーロ帯が見えた。
おそらくもうゴルジュは終わりだろうと、一旦登山道に戻って先を急ぐ。

小一時間程登山道を歩き、co906辺りから沢へ下って再度入渓。
この時点でかなり暑く、脱げるものは全て脱いで出発。

小滝がちょこちょこ出てくる。

基本的にほぼゴーロ歩き。

振り返ると街を見渡せる。
この時点で大分歩いてきたな~感がある。


カッコイイ岩肌を眺めながらゴーロ歩き。

稜線が見えているが、まだまだ先は長い。

両岸が少し狭まり、ようやく滝らしい滝が出てきた。


この沢一番の落差?の滝は、せっかくなので直登。
落ち口のホールドが細かく少し迷った。あえて登らなくても、右から簡単に通過できる。

綺麗な小滝が続く。

全然濡れないでも通過できるので、この沢は秋に来るのが良さそう。

あっという間に滝は終わり、再びゴーロに。そして急激にガスってきてしまった。
このままでは、最高に良い!と噂の源頭部が楽しめないのでは…。
行程もやたら長いし…、鳥海山ピークハント辞めて帰るか…と完全に萎えモード。

しかし、ひたすら歩いて高度を上げていくとガスが晴れた!
やる気をなんとか取り戻し、先へ進む。

co1480辺りから雪渓が出てきた。
雪渓の冷気で涼んでから脇を巻いていく。

なだらかな地形なので、雪渓の巻きも特に難しくはない。
この辺りから登山道がすぐ傍を並走するので、少し登れば登山道に上がることができる。
私たちは素晴らしいと噂の源頭部が見たいので、忠実に沢型を詰めていく。

辛抱強く進むと、花が咲き乱れる源頭部へ。

確かに綺麗~!雰囲気が最高に良い。


この辺りは面白い地形で、沢を登っていたと思ったらいつの間にか下りはじめる。
真ん中は鍋森のピーク。
草原に池塘、お花畑と癒しの要素たっぷりの風景を楽しみながら沢筋を辿る。

緩やかに沢を下って行くと…

登山道に合流!ここまで約5時間。
ここから鳥海山山頂を目指す。

しばらく歩きやすい木道を行く。

千蛇谷と外輪山との分岐で何となく外輪山を選ぶが、これが大間違い。
天気が良すぎて灼熱の稜線歩きに…

目指す鳥海山のピークは遥か先。
そしてケーシが熱中症気味でかなり辛そう。千蛇谷コースの方がまだ涼しくて良かったか…。

文珠岳、伏拝岳、行者岳と縦走し、ようやく鳥海山、新山が近くに。
この辺から登山道は激混み。七高山へは行かず、新山へ直行。

新山はザ・岩山という感じで中々面白い。
山頂は狭いのもあり、混みあっていた。


とりあえず写真だけ撮って退散。

小屋への下りから外輪山を望む。
それにしても、檜ノ沢の穏やかな源頭部からは想像できない、荒々しい山容だ。

帰りは千蛇谷コースから。振り返ると新山がドンと構えている。
流石百名山、景観がとても良い。

後は無心の下り。沢を詰めあがった地点から鳥海山山頂まで、往復5時間の道のりだった。

整備された木道を歩き、T字分岐に到着。ここから二ノ滝口方面へ。

しばらくは整備された木道だったが、次第に荒れていく。
途中、木道がひっくり返るアクシデントも…

藪に覆われ、地味に歩きづらい。

登山道は南ノコマイ沢と並走しており、所々滝見スポットがあった。
こちらの沢は登れそうに無いなぁ~という感じ。

気力で歩き、ギリギリヘッデンを出さず下山。
前回の恋ノ岐と同様、今回も体力トレのような山行となった。

檜ノ沢は滝らしい滝は数個しかなく、ほとんどゴーロ歩きの沢だった。
とはいえ源頭部の景観は素晴らしく、一見の価値あり。
沢登りとしての楽しさはあまり無いかもしれないが、バリエーション登山として見ればとても良いコースだと思う。

冒頭にも書いたように、1~2泊でのんびり行くのがオススメ。
また、夏は非常~に暑いので熱中症に注意。
全く濡れないで遡行できるので、秋に行った方が良いかもしれない。

コースタイム

駐車スペース 5:20ー登山道横断点・入渓 6:00ーCS滝上・脱渓 6:30ーco906・再入渓7:10ー登山道 10:30ー鳥海山(新山)山頂 13:10ーT字分岐16:10ー駐車スペース 19:00

装備

ラバーソール靴、30mロープ(未使用)