大滝を秘めた会越の沢。
快適なスラブ登攀が楽しめる。
霧来川 大鍋又沢左俣右沢 遡行記録
2023/05/27-28 1泊2日 晴れ/曇り
メンバー:ケーシ、シュカ、他2名
遡行グレード:2級上
pom&中澤さんと会越の沢へ。関東民でない我々にとって5月は近場に沢の候補が非常に少なく、悩ましい。
当初は雪渓アプローチのとある沢を狙っていたが、雪渓がまだ多いだろうという事で断念。渓相が良く、スラブ登攀を楽しめる大鍋又沢に変更となった。
当日道の駅かねやまで合流し、入渓点まで車を走らせる。
沢の支度をしていると衝撃の事実が発覚!何とシュカが沢靴を自宅に忘れてきたらしい。
10年沢をやってきて、まさかの失態。こんな事は初めてだ。
同行の2人にこの事を伝えると「今日は沢キャンプしよう!」という事になり、先に行ってもらい、テン場で集合することに。
我々は急遽、会津若松のワークマンへ買い物に向かった。
ランチなどをしてのんびりしていたらすっかり遅くなってしまった。13:30入渓。
テン場となる変則三俣目指して出発。
優しい渓相にうっとり。
古滝沢出合。入口は小さいが、美しいゴルジュになっている。奥には大きな滝があるのだとか。
河原を進むとスラブが目立ち始める。
綺麗な淵に魚が泳いでいたので竿を出した。
のんびり釣りをしながら遡行していく。あたりはなかった。
超癒し系~。
久しぶりの開けた沢は気持ち良くていい。
しばらく歩くと周囲が開けて、岩肌が剝き出しになった山々がたくさん見えてくる。
変則三俣に着いた。既に綺麗にタープが張られ、見事なキャンプ場になっていた。
2人は我々が来るまでの間、山菜採りや釣りをしながらのんびりしていたようだ。
あまりにも到着が遅いので帰ったと思ったらしい笑。
焚火を囲いながらまったりタイム。景色も良く、とても贅沢なテン場だ。
早い時間からこんなにゆっくりするのなんて久しぶりかもしれない。これはこれでとても良き。
翌朝は天気が崩れる予報だったので、撤収してお帰りかなーと思っていたが、
予報に反して天気が良い。すぐに降られる感じでも無さそうだ。
というわけで第一候補の左俣右沢を遡行することにする。
中俣を過ぎると比較的すぐに雪渓が現れる。
この先も何個か出てきたが、すべて上を歩いて通過。
右沢に入ると再び雪渓。雪渓下には4mCS滝があり、雪渓から沢に降りるのは困難。
左岸に移って藪に入り、クライムダウンした。
その後はナメ時々雪渓といった渓相。
雪の無い時期に来ればもっとナメを楽しめるかも。
中間部はこれといって面倒な場所は無く、快適に遡行していく。
途中、特徴的な岩塔が見えた。
小滝を越えて行く。
この滝を越えると…。
急に視界が開けて、辺り一面にスラブ帯が広がる。絶景スポットに出た。
そして奥に進んで行くと右手に隠れていた大滝が姿を現す。デカい!
大滝は雪渓の間を登って取り付く。
一般的に登られているであろう左壁下部はシナシナの草がホールドを隠しており、掃除しながら登らないといけないため、もう少し左の藪を登って右にトラバースし、滝の中腹に出る。
かなり高度感があるのでロープを出して登った。
再び雪渓。
急峻な沢を登っていく。
振り返ると御神楽岳が見えた。
pomと中澤さんは御神楽方面を振り返る度に歓喜の雄たけびをあげている。彼らにとってこの山域はそれだけ思い入れのあるところなのだろう。
2つくらい登れない滝を巻くと最後のスラブが出てくる。
フリクションを効かせて慎重に登って行く。
最後は藪に入り…。
左俣/中俣の中間尾根に出た。
中間尾根は思ったより藪が薄く、グイグイ下れる。
開けたところで小休止。
休憩中に周囲を眺める。
それぞれの山がとても標高1000m未満とは思えない異様な雰囲気を醸し出している。
中俣の大滝も見えた。左俣よりも雪渓が詰まっていて悪そう。
高度感のあるリッジを進み、適当な所から尾根を外れて左俣へ降りる。
沢型に入ると特に面倒な滝は無く、沢に下りられた。
あとはテン場に戻って荷物を回収して下山。お疲れ様でした!
今日は曇りだったが、それでもスラブ帯は蒸し暑かった。昨日の晴れ日に登らなくて良かったかもしれない。
やはり最適な季節は秋だろう。紅葉時期に中俣や右俣を登りに再訪したいと思う。
コースタイム
1日目
駐車スペース13:30―テン場(変則三俣)15:00
2日目
出発6:30―右沢出合7:00―大滝8:00―中間尾根10:00―テン場11:30―駐車スペース13:00
装備
ラバーソール靴、40mロープ