こんにちは!サワグルイのケーシです。
今回の沢登り装備解説は“ハーネス”についてです。
ハーネスとは自分の体とロープを繋ぐ安全ベルトのようなもので、
沢登りでは沢靴やヘルメットに並ぶ必須装備の一つです。
今回は沢登りにおけるハーネスの種類と選び方について解説していきたいと思います。
ハーネスの種類
ハーネスにはアルパインクライミング用の簡易ハーネスとフリークライミング用のハーネスの2種類があります。
以下で、それぞれの特徴を解説していきます。
アルパインクライミング用ハーネス(簡易ハーネス)
アルパインクライミング用ハーネスとは岩稜歩きや沢登り、アルパインクライミング、BCスキーなどの激しい墜落を想定していないアクティビティ向けに作られたハーネスです。
【メリット】
コンパクトで軽量な点が最大の特徴です。
ウェストベルトやレッグループが取り外せるので、登山靴やスキーを履いたままでも着用が可能です。
また値段は\10,000以下のモデルが多く、お財布に優しいです。
【デメリット】
クッション性が0に等しいので、墜落時にはかなりの負荷が体にかかります。
また人によってはぶら下がっているだけでも体が痛くなったりします。
フリークライミング用ハーネス
フリークライミング用ハーネスとは、墜落が想定されるスポーツクライミング向けに作られたハーネスです。
【メリット】
墜落を想定して作られているため、クッション性に優れます。
激しい墜落や長時間のハングドッグ時にかかる体への負担が少ないです。
【デメリット】
ウェストベルトやレッグループの取り外しが出来ないので着脱がやや面倒かつ嵩張ります。
また値段は\10,000以上のモデルが多く、ややお高めです。
沢登りではどちらを選ぶ?
沢登りでは最初に紹介した“アルパインクライミング用ハーネス(簡易ハーネス)”がおすすめです。
基本的に沢登りでは激しい墜落を想定していないため、快適性よりも軽量で嵩張らないものを選びます。
フリークライミング用ハーネスは嵩張るのとクッションが水を吸うことで重くなり、やや不快です。
今はアルパインクライミング用ハーネスに近い軽さを実現しているフリークライミング用ハーネスも出ていますが、
泥汚れや藪・岩との摩耗で消耗が激しいので、高価なフリークライミング用ハーネスはもったいないです。
もちろん体に合わないなどの様々な理由から沢登りでクライミング用ハーネスを使う人もいるので、あとはその人の考え方次第と言ったところでしょう。
ただし、沢登りで使用するハーネスを他のアクティビティ(特にフリークライミング)で兼用するのはやめておいた方がいいです。
上に書いたように消耗が激しいのに加え、沢独特の臭いがハーネスに染みつくからです。
ハーネスを選ぶときのポイント
ハーネスを選ぶときのポイントや気を付けることなどを解説していきます。
サイズ
ハーネスはS.M.L.XLといった感じのサイズに分かれています。
メーカーやモデルによってウェストやレッグループのサイズレンジにバラつきがあるため、
必ず試着をしましょう。
ウェストとレッグループはベルトを締めたときに手のひらが入るくらいの余裕があると良いです。
キツイと動きづらいですし、反対に緩すぎるとぶら下がったときにバランスが悪くなるので、程よい余裕を持たせることが大切です。
実際にぶら下がって試せるお店もあるので、ぶら下がったときに体に痛い場所がないかなどをチェックしてみましょう!
重量
沢登りで使うハーネスは軽い方が断然良いです。(もちろんフィット感も大切ですが。)
登山用ハーネスは軽いモデルで150g~重いモデルで300gまでと色々なメーカーから販売されています。
軽くなるほど値段が上がる傾向にありますが、身に着けていてストレスがなく、荷室を圧迫しないものを選びたいですね。
バックルの種類
バックルにはシングルバックルとダブルバックルがあります。
シングルバックルは一度締めると緩みにくいのですが、折り返しを忘れると荷重をかけた時にバックルが緩む可能性が高く大変危険です。
ダブルバックルは折り返し不要で素早く装着出来て扱いやすいのですが、
バックルが引っかかって引き起こす力が加わると、バックルが緩むことがあるので、こちらも注意が必要です。
どちらも一長一短なので、自分の扱いやすい方を選びましょう。
ギアラックの数
これも意外と重要です。
登山用ハーネスは軽量化のためにギアラックが少なめのタイプが多いです。
私は行動中はザックにギア類をしまい、登攀中は肩掛けのスリングにギア類をかけているのでギアラックの数はあまり気にしませんが、行動中&登攀中にギアラックを使う人は注意してみるといいかもしれません。
最後に
今回は沢登りで使うハーネスについて解説していきました。
これで沢登りの必須装備である、沢靴・ヘルメット・ハーネスの解説は終了です。
次回からは沢登りで使うウェアやクライミングギアについても解説できればと思います。