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モンベルの沢靴徹底比較レビュー!サワーシューズ・サワタビ・サワークライマーなど

こんにちは!シュカです。今回はモンベルの沢靴をレビューしたいと思います。

沢靴を出しているメーカーはいくつかありますが、私は沢登りを始めて以来、ほとんどモンベルの沢靴を使ってきました。モンベルからは何種類か沢靴が出ており、それぞれ履き心地が異なります。

右からサワーシューズ、サワタビ、サワークライマー、サワークライマーリールアジャスト

今回は私が使用したことのあるモデル、サワーシューズ・サワタビ・サワークライマー・サワークライマーリールアジャストの、良い点・気になる点をそれぞれお伝えしていきたいと思います。

サワークライマーは(サワートレッカーも)現在、モデルチェンジにより大幅に仕様が変わりました。現行モデルのサワークライマーについては、後日レビューしたいと思います。

モンベルで沢靴を選びたい方はもちろん、他メーカーの沢靴と迷っている方の参考にもなれば幸いです。

モンベルの沢靴の特徴

まず初めに、モンベルの沢靴と他メーカーの沢靴との大きく違う特徴を紹介します。

ラバーソールにはアクアグリッパーが採用

アクアグリッパーとは、モンベルが独自に開発したラバーソールです。水中の岩に対するグリップ力を高めたソールで、濡れた足場にも良くフリクションが効きます。

使用感としては、粘り気のあるソールという印象で、吸いつくような感じでグリップします。特に、乾いた岩へのフリクションは抜群です。

足首がネオプレンで覆われている

靴/タビ共に足首周りが覆われている

モンベルの沢靴は足首周りがネオプレン(公式名称はクリマプレン)で覆われています。ネオプレンとは、ウェットスーツなどに良く使われているゴム素材です。これにより、足首周りの保温性を高め、さらに小石や砂利などが入りにくい構造になっています。

脱ぎ履きが若干しづらいですが、渓流スパッツが無くても快適に遡行できます。

登山靴と同じような構造の沢靴だと、渓流スパッツを使用しないとどうしても砂利が入ってきてしまいます。とはいえ、特に泳ぎ中心の沢などで渓流スパッツを履いていると、泳いでいる最中にずり下がってくるので非常にうっとおしいです。

このような理由で、渓流スパッツ要らずという点は個人的に非常に助かっています。

モンベルの沢靴レビュー

それでは、モンベルの沢靴4モデルを徹底レビューしていきます!フェルトソールとラバーソールの違いや、タビと靴タイプの違いについて詳しく知りたい方は、別の記事で解説していますのでぜひそちらもご覧ください。

【沢登り初心者向け】沢靴の種類と選び方を解説!【シャワークライミング】今回は沢靴の種類や選び方について詳しく解説していきます。 沢登りをこれから始める方の参考になれば幸いです。 https://yout...

サワーシューズ

フェルトソールのタビタイプの沢靴です。

画像では分かりませんが、中で足先が二つに分かれていますので、靴下もタビの形か五本指のものが必要です。

サワーシューズの良い点

・非常にフィット感が高い

アッパー部分もネオプレンでできており伸縮性があるので、足型に関わらず良くフィットしてくれます。また、柔らかい素材なので、足首の動きも妨げず快適です。

・ソールに厚みがあり疲れにくい

ソールには厚めのポリプロピレンフェルトが使用されているので、タビタイプの靴の中では疲れにくいです。

私はサワーシューズで泊まり沢にも行きますが、特に問題はないです。ソールの硬さが物足りないという方は、靴タイプでフェルトソールのサワートレッカーがオススメです。

・リーズナブルでコスパ良し!

サワーシューズはモンベルの沢靴のラインナップの中では一番リーズナブルです。必要十分なスペックで、この靴を履いていて特別困る所もありませんので、コスパも良いと思います。

沢登りをこれから体験してみたいけど続けるかどうか分からない入門者の方、ガンガン履きつぶしたい熟練者の方、どの層にもおすすめできる沢靴です。

サワーシューズの気になる点

・蝶結びだけだと靴ひもが解けやすい

普通に蝶結びをするだけだと、靴ひもが解けやすいです。足の甲の部分に結び目がくるので、どうしても色々と引っかかりやすく、緩んでしまうのだと思います。

末端を挟んでおくと良い

対策としては、ほどけにくい結び方(蝶結び+ひと結び、二重結び、イアンノットなど色々あります。気になる方は調べてみて下さい!)をした後、末端を横の靴ひもの下に通します。これでも駄目な時は駄目ですが、格段に結びなおす回数が減りました。

サワタビ

ラバーソールのタビタイプの沢靴です。

サワタビの良い点

・足裏感覚が最高!
モンベルの沢靴の中では一番ソールが薄い

ソールが薄いので、非常に足裏感覚に優れます。乗っている足場の細かい凹凸や形状が、ほぼダイレクトに足裏に伝わってくるような感じです。

細かい凹凸に乗ったり、見えない足場を探りながら登攀する時に非常に有利です。さすがにクライミングシューズとまでは行きませんが、他の沢靴よりも足を置ける場所の選択肢が増えます。

・ベルクロ式なので楽

サワタビは靴ひもではなく、足の甲にあるベルクロ一本で止める仕様です。着脱が簡単ですし、紐を結ぶ手間・結びなおす手間がない為、非常に楽です。

・フィット感が高い

アッパー部分もネオプレンで伸縮性があるので、足型に関わらずフィット感が良いです。サワタビはベルクロ一本で締める仕様なので、靴ひも式のサワーシューズと比べるとフィット感が落ちそうですが、私にはあまり違いが分かりません。

サワタビの気になる点

・ソールが薄くて疲れやすい

サワタビのソールの薄さは最大の長所であり、短所でもあります。

ソールが薄いと、歩行時の衝撃がダイレクトに足裏に伝わるため、体への負担が大きいです。ですので、長時間歩いたり、ある程度重い荷物を背負っての遡行には不向きです。

サワタビを履く場合、アプローチや下山用にアプローチシューズを用意するのが良いと思います。

・消耗が早い

ソールが薄いため、他の沢靴と比べると比較的早くソールが剥がれたり、穴が開いたりしてしまいます。サワタビをメインで使っているケーシの場合、1シーズンに1回買い替えています。

・指の間に色々と挟まる

形状的にどうしようもないのですが、指の間に小枝や石、葉っぱなどが挟まりやすいです。ふとした瞬間に違和感を感じて見てみると色々と挟まっており、地味に気になります。

サワークライマー

一番良く使用しているのでボロボロです

ラバーソールで靴タイプの沢靴です。ちなみに、サワートレッカーはサワークライマーのフェルト版ですが、ソール以外は一緒なのでこちらも参考になるかと思います。

サワークライマーの良い点

・ソールがしっかりしており疲れにくい

サワークライマーのソールには、ある程度の硬さとクッション性があります。長時間歩いたり、泊まり装備を背負って遡行するのにも向いています。

柔らかめの登山靴と似たような履き心地で、タビタイプの沢靴よりも疲れにくいです。

・足を保護してくれる
つま先~かかとを一周する黒い部分がランドラバー

サワークライマーはつま先からカカトまで硬いラバーで補強されています。

沢登りでは気を付けていても、足をぶつけてしまう機会は多いので、このような足先の保護があると安心です。

・ソール張替可

ソールが減ったら、修理に出して張り替えることができます。靴を丸々買い換えるよりもリーズナブルなので、長く使いたい方にはおすすめです。

※現在サワークライマーはソール張替え不可。サワートレッカーは可。

サワークライマーの気になる点

・足幅が狭め

サワーシューズやサワタビと比べると、足の横幅が狭めです。また、足回りが一周ラバーで補強されているのでほぼ伸びず、後から馴染みにくいです。足型が幅広の方は、キャラバンの渓流シリーズが良いと思います。

サワークライマー リールアジャスト

ラバーソールの靴タイプの沢靴です。靴ひもではなくダイヤルを回してワイヤーで締める靴です。

以下面倒なので、サワークライマー リールアジャストは「リールアジャスト」、通常モデルのサワークライマーは「サワークライマー」と表記します。

リールアジャストの良い点

・着脱が容易

BOAフィットシステムという、ワンタッチでワイヤーを締めたり緩めたりすることができる、ダイヤル方式が採用されています。靴ひもを締めるタイプよりも、非常に素早く着脱することができます。

・足首が動かしやすい
リールアジャストはアッパーがくるぶし程度の高さ

サワークライマーと比べると、リールアジャストの方が足首周りの硬い部分が低い位置に来ています。足首周りがすっきりしていることで、より動きやすくなっています。

リールアジャストの気になる点

・フィット感が低め
筆者の場合、リールアジャストだと足先が十分に締めきれず余る

くるぶしの上まで紐を締めることができるサワークライマーと比べると、リールアジャストは甲の部分までしか締められないため、フィット感がどうしても落ちます。

また、ワイヤーは均一に締まって行くので、靴ひものように細かく締め方を調節して足にフィットさせることができません。足型を選ぶ靴という印象です。

私の場合、サワークライマーでは全く問題なかったのですが、同サイズのリールアジャストだときつく締めてもフィット感を出すことが難しく、靴の中で足が滑ってしまいます。同じように買い替えを検討している方は、少し下のサイズも試してみるとピッタリくるかもしれません。

・一度で締め切るのが難しい

リールアジャストはワイヤーが均一に締まって行くので、一度締めただけだと、後から足の形に合わせて緩んでくることがあります。

しっかり締めるには、ダイヤルを回して締めた後に、指で下から上へ順番にワイヤーを引き上げ、緩みを上まで持ってきてから、再度ダイヤルを回して緩みをとる、という作業を何回かする必要があります。

・ダイヤルが引っかかる・外れるリスクがある

ダイヤル式の靴の宿命かもしれませんが、ダイヤルが引っかかったり、ぶつかって外れてしまうリスクがあります。特に沢登りは足場が良くないので、色々と引っかかることが多いです…

ダイヤル本体が取れてしまうケースもあるので、付属の説明書をしっかり読んで備えておきましょう。

・(人によっては)ワイヤーが食い込む

当てはまる人はあまり居なそうですが、一応書いておこうと思います。私の場合、ワイヤーが足に食い込んで痛い時があります。

残念ながら相性が悪かった…矢印の所がかなり痛い

このように、つま先立ちをするなど足先が曲がる状況になると、ワイヤーの屈曲する部分がちょうど親指の付け根の骨を押し付けてしまって、痛みがでるという感じです。私の指が曲がる位置とワイヤーとの位置関係が絶妙に悪く、このような症状が出ているのだと思います…

靴ひもと違って、ワイヤーには伸縮性が無く力が逃げにくいので、一カ所に負荷が集中してしまうのかもしれませんね。もちろん、問題なく使用されている方が多いと思いますので、参考程度に。

まとめ:結局どの沢靴がいいの?

最後に、個人的なオススメをまとめて終わりたいと思います。

サワーシューズ

フェルトソールの沢靴が欲しい方にオススメ。沢登り初心者の一足目に。熟練者にも愛用者が多い、コスパに優れた沢靴。

サワークライマー

ラバーソールの沢靴が欲しい方にオススメ。非常に無難な一足。

※冒頭にもありますが、モデルチェンジにより仕様が大幅変更になりました…。現行モデルは後日レビューしたいと思います。

ということで、モンベルの沢靴のレビューでした。少しでも参考になれば幸いです。

最後までお読み頂き、ありがとうございました!