東北の沢

鳥海山 白沢川

沢から百名山シリーズ。

鳥海山へと詰め上がる明るく変化に富んだ沢。

日向川 白沢川 遡行記録

2023/8/5-6 1泊2日 両日晴れ

メンバー:ケーシ、シュカ、他2名

遡行グレード:3級

越後の沢を予定していたが、雷雨を恐れて東北へ転進。
ポムチムセレクトで記録未見の鳥海山の沢に行ってきた。


湯の台に車をデポって起点の駐車スペースへ。
駐車スペースのかなり手前から工事のため、道が塞がれているが、裏技を使って突破。
アプローチは地形図に載っている登山道を使うが、すぐに道が無くなり入渓となる。既に死にそうなくらい暑い。


しばらく河原を進む。記録がないため、何が出てくるのか分からない。(一応、衛星写真で上部のナメだけは確認済)


ゴーロが続き、これはしばらく平凡かな?と思い始めた頃、突如ゴルジュ出現。
側壁がそそり立ち、かなり不気味な景観。巻くとなるとかなり大変そうだ。


ドキドキしながら入口へ。立派なゴルジュが奥まで続いているではないか!


各自カッパを着込んで内部に突入。入口から見えた悪そうな滝に泳いで取り付く。


流れに逆らい泳ぎ、滝に近づくと意外と足が着く。
そこから水流左を直上。ムーブがあって楽しい。


先程の滝でゴルジュの難所は終わり、景観を楽しみつつ進む。


釜はどこも深く、水がとても澄んでいて綺麗だ。


ナメもある。


しばらく河原になり、黙々と先に進む。


地形図の最初の滝マークに到着。“熊滝”と言う名前が付けられているらしい。10mくらいか。


何だか登れそうに見えるのでシュカリードで取り付く。


シャワーを浴びながら左壁を直上。最初に岩が欠けてフォールしたが、難なく登っていった。


フォローも続く。とにかく岩が脆い!


滝上の景観。


振り返る。


その後、再びゴーロを進むと次の滝マークに到着。
50mくらいはあるだろうか。巨大な滝が出てきた。これは登れないので左岸から巻く。


ナイスルーファイで落ち口に降り立つ。


そして滝上には青いナメが広がる。


この沢で一番綺麗な区間かもしれない。


期待以上の素晴らしい渓相。


再びゴーロとなり、黙々と進むと…。


また同じような形状の滝が現れる。ここは右岸巻きだが、蔦が生い茂っていてかなりハードな藪漕ぎになった。


暑さでフラフラ…そろそろ幕営地を探したいところだ。
前方には巨大なナメ滝と滝が見えてきた。


巨大ナメ滝。水があまり流れておらず迫力に欠けるが、水量多いときはきっと迫力ある滝になるだろう。


中央の乾いた岩を快適に登る。


その上の滝。20mくらい?ありそうだ。
この先、良いテン場が無さそうという事で、本日はここで行動終了。

焚火をしながらマッタリ。お腹いっぱい食べて就寝。


翌朝は日の出と共に起床。シュラカバだけだったが快適に眠れた。
朝イチから20m滝の高巻き。どちらからも巻けそうだが、右岸から行く。


綺麗に巻いて落ち口へ。


そして先にはナメ滝の連瀑!


アルプスの沢のような渓相。
この辺からシュカが爆速モードに入る。(渓相の良い沢で稀に見られるモード)
私は朝食のカレーメシを食べ過ぎて何だか調子が悪い。吐き気を催しながら必死について行く。


まだまだ滝が続く。空が近くなって来るも、まだまだ頂は遥か先。
この辺から私は完全にグロッキー状態となり、中澤さんにロープを持ってもらう。


この辺でリバース寸前状態となる。
鳥海山の清流を吐瀉物で汚すわけにはいかないので、出てくる滝は巻いて体の負荷を軽減しながら登って行く。


上部で急激に水が減った。まだまだ先は長いのに…。


完全に伏流したので雪渓下で水を汲んでもうひと頑張り。
 
カレーメシが消化されたのか急激に体調が回復し、復活!
灼熱の中、ひたすら高度を稼ぐ。もうどこからが詰めなのかよく分からない。


次第に沢がボサり始めてきたので、右の草原にトラバース。
そこからさらにトラバース気味に登りながら登山道を目指す。


ようやく登山道に合流した!

あとは七高山だけPHし、登山道経由でゆっくり下山。殺人級の暑さにやられて下山の写真は撮れず。

白沢川はゴルジュ、ナメ、大滝ありの変化に富んだ素晴らしい沢だった。記録が見当たらないのも不思議なくらいだ。

前回の白山事件や先週の奥利根雷雨敗退でモチベーションだだ下がりだったが、久しぶりに良い沢に行けてとても良かった。同行のお二方もお疲れ様でした!

コースタイム

1日目
駐車スペース7:00―ゴルジュ8:00―熊滝10:00―50m大滝11:30―テン場14:00

2日目
出発6:00―登山道10:30―湯の台駐車場14:30

装備

ラバーソール靴、30mロープ、カム・ハーケン