東北の沢

虎毛山塊 春川 西ノ又沢~虎毛沢下降

亀甲模様のナメ、滑らかなスラブが特徴的な美渓!

難所一切無し、東北の美しい自然を満喫できるまったり周回ルート。

皆瀬川 春川 西ノ又沢~虎毛沢下降 遡行記録

2020/9/29-30 1泊2日 曇/晴

メンバー:ケーシ、シュカ

遡行グレード:2級

前回の北沢でたまには癒しの沢旅でもしようかーということになり、急遽東北に遠征。

行先は以前から訪れてみたかった春川。
ダイレクトクーロアールや万滝沢も非常にそそられるルートだが、今回のテーマは癒し!なので難所の無い春川の西ノ又沢を遡行して虎毛沢を下降するプランにした。

ちなみに西ノ又沢はco660で分岐する沢で、下部の地形図に名前が付いている西ノ又沢とは別の沢。 前日に新潟から下道で7時間半かけて移動。 翌朝、最寄りの道の駅から駐車スペースまで車を1時間程走らせる。 ゆっくりと支度をして出発!宴会仕様の装備なので久しぶりに荷物が重い…。

入渓地点まではしばらく林道を進む。 美しい森に癒されながら歩いていると2時間くらいで入渓地点となる場所に着いた。

遡行開始。アプローチもそうだが、釣り師用と思われるブルーシートなどの残置物が目立ち景観を損ねている。

入渓してからも長い河原歩きが続く。 この先に美しい渓相が無ければ帰りたくなるくらいだ。

側壁に岩が露出し始めるとようやく最初の滝らしい滝。 右側に残置ロープが垂れ下がっているが、中央を簡単に登れる。

そして三滝に到着。 画像に写っていないが、左からは東ノ又沢が出合い、美しい三俣になっている。(画像は左から春川、西ノ又沢)

出合の滝は左から登る。

滝上は滑らかな癒しの渓相。 退屈区間が長かったが、ようやく綺麗な区間が始まったようだ。

これぞ癒しの沢!

少し進むとこの山域名物の亀甲模様のナメ床が出てくる。 土砂により所々埋まっていて少し残念だが、反対側の三滝沢よりも長く続いている。

どうしたらこのような模様になるのだろうか。まさに自然が創り出す造形美。

あっという間に亀甲模様のナメゾーンは終わり、万滝沢出合に到着。 ここは絶好の幕営地となっている。まだ時間が早いので先に進む。

万滝沢を過ぎるといよいよ春川のハイライトとなる滑らかなスラブゾーンに突入。

この滝は泳いで滝に取り付く。寒い。

凹凸の少ない平らなナメ床を進む。 点在する滝はラバーソールであればフリクションを生かして快適に登れる。

滝上から振り返る。

続いて4連瀑のナメ滝。完璧過ぎる造形。

この連瀑を越えるとハイライトは終了。 思ったより短かったが、この景色を見るだけでもこの沢を訪れる価値はある。

西ノ又沢出合に到着。 当初はここで泊まる予定だったが、まだ時間もあるので先に進む。

西ノ又沢も癒し系。

前半はナメ滝をいくつか越えていく。


後半に唯一10m級の滝が出てきた。右から直登。

次第に沢は倒木に埋め尽くされ、難儀しながら歩いているとco800付近の二俣。
ここを左に進み、コルを目指す。

コルまで単調な歩きを想像していたが、 激セマのしょんべんゴルジュが出てくるなどして楽しめる。


途中から振り返る。

しょんべんゴルジュを過ぎると沢は平凡に。コルを目指して進む。

コルからは反対側の虎毛沢に下降。すぐに沢型が出てきて容易に降りられる。
この沢もナメ床主体なので下降しやすい。

地形図上のco735を目指して黙々と下降して行く。

所々、滝が出てくるが特に問題無くクライムダウンできた。

いくつか焚火跡を見送り、co735を過ぎた先に良さげな河原発見。

河原脇の台地が極上物件となっていたので、本日はここで行動終了。 2泊3日でゆっくりする予定だったが、初日でこまで来てしまったので、明日には駐車スペースまで戻れそうだ。

さて、焚火を起こしたらお待ちかねの宴会! 沢にお酒を持ち込むのは何と2年ぶり!?

焚火にあたりながら久しぶりのお酒を味わう。いやー体に沁みる~! 久々に夫婦の会話も弾み(笑)楽しい夜を過ごした。

翌朝はゆっくり目にスタート。

黙々と下降していく。春川ではあまり魚を見なかったが、この沢は非常に魚影が濃かった。

退屈な河原歩きが多いが、随所に点在するナメゾーンは春川に引けを取らない美しさ。

春川よりも青に近い透き通った水の色が特徴的だった。

途中にはデコボコな岩盤も出てきて変化に富んだ素晴らしい渓相だ。

美しい景色に見とれていると赤湯又沢出合に到着。 赤湯又沢には野湯があるらしいので、次回はこちらも訪れてみたい。

赤湯又沢出合からは前半はプチゴルジュ帯、後半は河原歩きと言った感じであっという間に入渓地点に戻って来た。

あとは長い林道を歩いて駐車スペースに戻り活動終了。 難しいポイントが一切無く、久しぶりに癒しの沢旅を満喫することが出来た。

虎毛沢は魚影が濃く、釣り師に人気なのも頷ける。 この山域にはダイレクトクーロアールや危険極まりない万滝沢、そして赤湯又沢など訪れてみたいところがたくさんある。次は紅葉の季節に再訪したい。

コースタイム

1日目 駐車スペース8:00―入渓9:50―三滝11:20―万滝沢出合12:20―西ノ又沢出合12:40―co735付近C1 15:40 2日目 C1 8:00―赤湯又沢出合10:40―入渓地点12:20―駐車スペース14:00

装備

ラバーソール靴、30mロープ