北海道の沢

大雪山系 トムラウシ渓谷(函沢)

日本百名谷に選定されている大渓谷。

6キロ以上に渡るゴルジュマークの中にはどんな光景が広がっているのだろうか…。

トムラウシ山 トムラウシ渓谷(函沢)遡行記録

2019/8/3-4 1泊2日 晴れ/晴れ

メンバー:ケーシ、シュカ、他1名

遡行グレード:4級

8月に入り、ようやく好天期間に恵まれた。
連日晴れ予報なので、以前から狙っていたトムラウシ渓谷に行くことにする。
WEBでは一切記録を見つけられず、また百名谷によるとゴルジュの突破だけで2泊3日を要している。
一体どんなゴルジュが眠っているのか。そもそも2日で足りるのか。無事に帰って来られるのか。など期待と不安が入り混じる中、当日を迎える。


ユウトムラウシ林道の雨量計小屋に車を1台デポし、もう1台でヌプントムラウシ林道へ。
ゲートから林道ひたすら歩く。


思ったほど荒れていない林道を1.5時間ほど歩き、ヌプン峠に到着。
ここから藪を少し漕いで沢に下降していく。


ヌプントムラウシ川を10分ほど下るとトムラウシ川に到着。
これから始まるゴルジュに胸が高鳴る。それにしても出合から物凄い水量だ。


支度を整えて遡行開始。
ロープを出すほどでもないが、スクラムを組んだり、おしくらまんじゅうをしながら流れを見極め進んで行く。こんなのが6キロ以上も続くのか…と思うと中々憂鬱。


しばらくすると一旦地形が緩み、河原状に。
右岸側を見ると煙が立っている。


天然の温泉が噴き出していた。函沢温泉と言うらしい。


温泉地帯を越えると再び側壁がそそり立ってくる。
まさに幽玄という言葉が相応しい地形。


ゴルジュ内は結構流れが強い。少しでも水量が多いとまったく歯が立たないだろう。
流されないよう慎重に進む。


まだまだゴルジュは続く。エスケープルートは考えられない。


ヌメる岩をヘツる。


威圧感は少し軽減して来たが、ルート選びを間違えると詰む。


右岸側が岩盤状になり歩きやすくなってきた。


地図上ではまだゴルジュ内のはずだが、完全に開けた渓相になる。
もしかしてゴルジュ終わった?


乙女の滝(推定落差80mくらい?)を鑑賞しながらお散歩。
天気も良く心地よい。


快適な遡行が続く。この辺は所々エスケープ出来そうな枝沢が多数あった。

大したことなかったね~と一同完全に余裕モードも束の間、再びゴルジュ地形に。


右へ左へ渡渉の連続。
大きい男2人でも持っていかれそうになる。


ゴルジュ内から振り返る。流されたら無事で済むのか…?

ゴルジュ出口は巨大な倒木を使って対岸へ。
これが無いと中々リスキーな渡渉をするハメになるところだった。


670m二俣に到着。地形図状だとここでゴルジュは終わるはずなのだが…。


まだまだ続くゴルジュ。ここから後半のゴルジュ帯が始まる。


泳いで突破。


先に進めば進むほど、前半のゴルジュよりも険しく感じる。


ゴルジュ内はルート取りが難しい。


最初の核心。水流沿いの突破は難しく、残置にA0で側壁をトラバース。


水中をヘツるか、側壁をヘツるかの判断が難しい。
ここは右から水中をヘツって突破。
さっきの核心から残置をチラホラ見かける。あまり古そうにも見えないので、それなりに人は入っているのだろうか。


後半ゴルジュを振り返る。流されたら入口まで止まらなそう。


第二の核心。対岸へ渡れば何とかなりそうなのだが、とても渡れる水量ではない。
ここは空身で左岸を悪いホールドを拾ってヘツり突破。


ここのフォロー引き上げで大苦戦。
ボディービレイやゴボウで登ってきてもらおうとするも水勢が強すぎて立つことすらままならない。
結局、側壁にハーケンを2つ打ち込み、これを手掛かりとしてヘツってもらい無事に全員突破する。


核心を抜けた先もまだゴルジュ。


シビアなヘツりは無くなったが、慎重にルートを見極めながら進んで行く。


二俣手前のトラバース。物凄い水量で水が溢れ返っている。


ようやく西沢と東沢を分ける二俣に到着。
ここは左の西沢へ。


西沢に入っても水量は勢い変わらず。


勢いは凄まじいままだが、水深が浅くなるのでだいぶ与しやすくなってきた。


側壁に甌穴がたくさんある滝は右からロープを出して越える。


最後はトラバースして沢床へ。


ようやく普通の河原に変化。やっとゴルジュを脱出できた!


癒しの渓相を進む。


パンケトムラウシ川との出合で幕営。
薪大量で豪快に焚火。星空を眺めながらタープも張らずに朝まで爆睡した。


翌朝はパンケトムラウシ川を辿り、林道合流地点で遡行終了の予定だったが、
目的のゴルジュは終わったので、1つお隣の記録のない沢を遡行して直接車に戻ることに。


特に面倒な滝はなく、順調に高度を稼ぐ。


大きなフキ地帯を通り過ぎて少し藪を漕いでいくと…。

林道に到着!ここから少し歩いて車に戻った。

記録があまりないのが不思議なくらい良い沢だった!

コースタイム

1日目
林道ゲート6:00―ヌプン峠7:30―トムラウシ川出合7:50―函沢温泉8:10―乙女の滝9:40―西沢出合14:00―テン場15:30

2日目
起床7:00―出発8:30―林道10:30―駐車スペース10:40

装備

ラバーソール靴、30mロープ×2、カム、ハーケン、ライジャケ