上信越・越後の沢

苗場山 釜川右俣ヤド沢

釜川右俣ヤド沢

見事な三つ釜の滝で有名な釜川右俣だが、その滝で千倉沢とヤド沢に分岐する。

ヤド沢に入ってからは多くの滝をかけ、登攀力・高巻きのルーファイ力が試される。

今回は日帰りだったが、景観もよく、魚もたくさんいるので、のんびり1泊2日で来るのも良さそう。

泳ぎ・直登・高巻き・魚と盛りだくさんで、非常にオススメの一本!

清津川 釜川右俣ヤド沢 遡行記録

2018/09/03 日帰り 曇り時々晴れ

遡行グレード:3級上

メンバー:シュカ、他1名

林道終点のゲート前駐車スペースにて前泊。

朝10時頃から雨の可能性があり、それまでにヤド沢へ抜けられるよう、かなりの早出を覚悟し4時に起きるが辺りが暗すぎて二度寝・・・。

結局、うっすらと周囲が明るくなった5時前に起きる。

ゲートに向かって左の道を降りていくと、10分ほどで取水施設手前に出る。

入渓直後左俣・右俣を分ける二俣までは河原歩き。天気は薄曇りで、寝坊したこともあり足早に進む。

長い淵巨岩帯手前の長い淵。泳いで遊びたいところだが、先を急いで右から巻く。巨岩帯も左岸を巻き気味に通過。

あっという間に二俣に到着。小休止をはさんで、いざ右俣へ。ちなみに、左俣はゴルジュ続きで難易度が高いとのことで、もう少し暑い時期に挑戦したいところだ。

右俣最初の滝最初の滝は右から少し泳いでとりつく。前回千倉沢を遡行したときは、右のぬめった岩のトラバースが少し悪かった記憶があるが、今回も残置ロープが設置されていた。

2段5m滝正面突破は厳しい。右から巻き気味に越えた。

CS滝淵を持ったCS滝。これも右から巻く。巻きは踏み跡がしっかりついていた。最近入渓する人が増えたのだろうか?

落ち着いた渓相 巻き終わると少し落ち着いた渓相になる。しかし、どの滝も釜が深い!確かに釜川だ。

一見難しそうだが泳いで左壁に取り付き、そのままへつって行くと滝上まで簡単に行けた。

5m滝三つ釜までは泳ぐところが多い。左壁づたいに泳いで取り付く。

意外と浅い淵深そうに見えて意外と浅い淵。とはいえ腰ぐらいまで浸かる。

最峡部

この沢の最峡部。つっぱりムーブで越えていく!

大岩!唐突に沢のど真ん中に落ちている?大岩。同行者曰く、「合成・・・?!煽られてるみたいでなんか腹立つ」とのこと。

見どころ!三つ釜来た!!名所三つ釜。東北の沢を思わせる美しいスラブ滝。ここに来るのは2度目だが、やっぱり美しい。しばらく鑑賞・・・

三つ釜滝を駆け上がるこの水流右のリッジを行くが、岩が脆く少々緊張する。灌木のあるところまで上がったら左へトラバース。

二段目上から二段目を左岸の灌木帯に入って巻き気味に登る。振り返るとここが千倉沢・ヤド沢の分岐。ここで一瞬の晴れ間が・・・!水面がキラキラして綺麗。

ヤド沢に入ってすぐ。ヤド沢に入ってすぐの滝。ここからは水流が少なくなり、ぬめりが多くなるのでやはりフェルトが正解か。しばらくナメ滝をひたひた越えていく。

2段12m滝立派な多段ナメ滝!最上部だけ立っているので右から巻いた。

10mナメ滝

さらにその上に10mナメ滝が続く。トップに続いて水流右から登るが、上部の傾斜が変わるあたりにあった2m級の大岩が滑り落ち、間一髪でよける!脆そうなので上部の直登はやめ、左岸を小さく巻く。

15m滝遠望すぐさま10m級の滝が出てくる。水流右側から直登。

15m滝直登中

ホールド・スタンスは冷静に探せばあるが、かなりぬめっている為スリップに注意。今更ながら、ロープを出したほうが無難だ。

30m滝どう見ても水流沿いは無理!左側に細い流水溝のようなクラックがあり、そこから登る。

流水溝をよじ登る

濡れるがホールド・スタンスは豊富。少し右のリッジを登っている記録も見かけたが、途中まで登ってみた感じだと、左のほうが挟まりながら登る分安心感がある。

登れない滝

9mトイ状の滝。登れそうになかったので右から高巻き。

3段15m巻き道はそのまま3段15m滝の上まで続いていそうだったが、何とかなりそうなので沢に降りる。1段目は右壁から。

3段15m滝の2段目2段目も右壁から取り付く。ここが個人的に一番疲れた~!

2段目登攀中

クラックを使って登るが、苔むした岩から水が染み出していて手が冷たい。ある程度登ったら対岸に足を張り、水圧に負けないように踏ん張り滝上へ。そのまま容易な3段目を登り3段滝は終了。

60m大滝でました!60m大滝。下部は立っていて取り付けず、左岸から大きく巻く。滝の上部は傾斜が緩くなっているので、そのあたりに降りられると楽。

美しい4段20m滝大滝を越えると、これまた美しい4段20m滝が目の前に!通称フィナーレ滝。ただ、この後の河原歩きが意外と長いのだった・・・。

水の色がお茶このあたりから、水の色が非常に濃くなってきた。緑茶みたいな色や・・・。そういえば、何かの記録で水が劇マズだったと書いてあった気がする。気になって飲んでみたが、私的には味は気にならなかった。とはいえ色は気になる。

釜の深い幅広ナメ滝大釜をもつ幅広ナメ滝。上流部なのにまだ釜の深い滝が出てきてビックリ。そしてこの釜の中には・・・

イワナが大量大量のイワナが!!こんなに群れるものなの?!ってくらい沢山いた。

ナメ沢はすっかり癒し系になる。雨予報は幸いにもはずれ、今更晴れてきた・・・笑

手づかみ!同行者が唐突にしゃがみ込んだと思ったら、なんと手づかみでイワナを捕まえていた!

お刺身せっかく捕まえたので、刺身にして頂いた。醤油も塩も無かったが、とれたてはやっぱりウマイ!

癒し系の渓相に飽きてきたころ、唐突に人工物がでてくる。この堰堤っぽいものの上が林道で、ここで遡行終了とする。

コースタイム

5:20 駐車スペース発ー5:30 取水施設から入渓ー6:10 二俣ー7:20 三つ釜ー9:00 60m大滝ー11:00 林道(20分ほど休憩)ー12:40 駐車スペース

装備

フェルトソール靴・30mロープ(未使用)・カム類(未使用)