飯豊・朝日の沢

朝日連峰 金目川左俣

金目川左俣

「井戸の底のような」と例えられるゴルジュを有する沢。

出だしは河原歩きだが、左俣に入ってからはゴルジュ内に多くの小滝をかける。

ほとんどの滝が直登可能で、稜線まで滝登りがつづく、登攀好きにはイチオシの沢!

荒川水系 金目川左俣 遡行記録

2018/08/18-19 1泊2日 両日晴れ

遡行グレード:4級

メンバー:シュカ、ケーシ、他1名

道の駅白い森おぐにで前泊。車の横でごろ寝していたら、警察に起こされた!

「最近クマが出た」「トラックにひかれる」という理由で車の中で寝るよう注意を受けた。

しぶしぶハスラーに大人3人乗り込み、変な体勢で無理やり横になり寝る・・・

ろくに寝れないまま翌朝、下山地点となる祝瓶山登山口に車を走らせるが、なんと前々日の大雨で道が崩壊したとのこと。登山口まで車が入れず、数キロ手前の通行止め地点に駐車。

なんとも幸先が悪いスタートとなったが、予約していたタクシーで入渓地点まで向かう。

大岩地帯

入渓直後は大岩がゴロゴロしていて地味に歩きづらい。1時間ほどで歩きやすくなる。

入渓直後

渓相が変わり、明るく穏やかな河原歩きになる。魚影もあったが、今回はゴルジュで時間が取られる可能性を考え、釣り竿は持ってきておらず・・・。

最初の滝

入渓から2時間ほどで、ようやく最初の滝らしい小滝。白い岩肌が美しい。

魚留の滝

ほどなくして魚止めの滝。水流右から登る。

逆くの字滝

そのすぐ上に逆さくの字滝がつづき、これも右から登る。

二股これらの滝を越えると左俣・右俣を分ける二俣に到着。今回はここを左に入る。

右に入ると中俣、右俣とルートがとれるが、Web上の記録を見る限り、一番面白いのは左俣のようだ。

左俣入ってすぐの小滝

左俣に入ると両岸が狭まりゴルジュの様相へ。いよいよ楽しい区間の始まりだ!

つっぱりで越える滝

人が入るとその狭さがお分かりになるだろうか。両手を伸ばせば余裕で両岸に手が届く。

ゴルジュは続く

水が非常にきれい。腰まで、時には胸まで浸かって取り付く。

連瀑

水と戯れながらすすむ。まだ暑いからいいが、寒い時期には辛そうだ。

狭い空間

淵も深いのかと思いきや、意外と泳ぐような箇所は出てこない。ジャブジャブ歩いて行ける程度。

3mほどの滝一見手こずりそうな滝だが、これもつっぱりムーブで越えていく。ゴルジュに入ってから楽しすぎて、無我夢中で登ってしまう!

つっぱりムーブ

こんな感じで軽快に登っていきます。岩はつるつるに磨かれていて、ラバーソールがバチ効き。

釜を持った滝

これは左からは行けず、釜を泳いで左岸にとりついて登った。

 

登攀中

想像していたよりも険悪なゴルジュではなく、快適に越えていく。

スリット

狭いスリットに入り込む。その狭さ、ザックがつっかえる程!

滑り台状滝

フェルト底だとなかなかに苦労しそうなつっぱり滝。意外と空が見えるほどには明るい。井戸の底はまだか・・・?

小休止

ゴルジュがいったん終わり、一休み。緩急のバランスが素晴らしい。

井戸底突入

ついに!井戸底のようなゴルジュに突入!写真では伝わりにくいが、確かにこれまでよりも、狭くて暗い。

最峡部

流木が引っ掛かった滝。この滝が一番狭かったかな?

最狭部とりつき

泳いでつっぱりでよじ登る。

井戸底脱出!

井戸底ゴルジュの最後の滝。

井戸底脱出!

井戸底ゴルジュ脱出!ラバーソールだからか、想定よりも簡単だったが・・・。いやー、大変面白かった!

井戸底ゴルジュの先

井戸底ゴルジュの先も、まだまだ狭い。こんな感じで両手が届く。

左岸の立派な滝

右手の枝沢に20mくらいの立派な滝がかかる。本流には大きな滝があまりないため、見ごたえがある。

連瀑

小滝が続きぐいぐい高度を上げてゆく。

2段20m

2段20mの滝。1段目は階段状で左から。2段目も水流左から行けそうだったが、完全にシャワーになりロープを出すのが面倒で巻いてしまった。

落ち着いた渓相

明るい渓相が続く。意外と早くゴルジュを抜けられたので、頑張ればこのまま稜線まで詰めあがれそうだったが、やはり沢の中で泊まりたい!時間は早いがここで行動終了とした。

テンバ

20m滝手前の右から小沢が合流する地点で幕営。増水したらアウトだが快適!全然明るいのだが、すかさず焚火。木を集めて夜まで楽しむ。

翌日、小滝の連瀑帯突破からはじまる。いきなり冷たい水を浴びる。

20m滝

20m滝は右の草付きから巻き。朝イチで不安定な足元の高巻きは骨が折れる。

5m?

越えた先の5mほどの滝。右側から快適に直登!ここもシャワークライム。

登攀中

水流中にいいホールドがあるパターンが結構多い。濡れるのを嫌わずに行くほうが簡単。

10m滝

こんな感じの直瀑がいくつか続く。だんだんヌメリが出てくるので、ラバーだとスリップに注意。

源頭部

次第に水流が消え、源頭の様相になってゆく。連瀑の終わりに少々寂しさを感じながら進む。

 

登山道合流

2-30分ほどのヤブ漕ぎの後、稜線に飛び出る!目の前の山が祝瓶山。帰り道は反対側だが、記念にピークハントに向かう。

祝瓶山山頂

10分で山頂へ到着!こんな感じです。

山頂からの景色

天気が最高で、とてもいい眺めをしばらく満喫・・・。自分たち以外に誰もおらず、久しぶりに山頂でゆっくりしてから下山。

コースタイム

1日目

8:00 入渓ー10:20~30 二俣ー11:30 井戸底ゴルジュー12:15 2段20m滝ー13:30テンバ

2日目

6:15発ー6:30 20m大滝高巻きー7:30 20m滝上ー9:00稜線ー9:10 祝瓶山山頂ー11:20 登山口ー12:00 駐車スペース

装備

ラバーソール靴・50mロープ(未使用)・カム類(未使用)・泊り用装備