谷川・奥利根の沢

谷川 マチホド沢

登山者の少ない不遇の山、谷川連峰の小出俣山に詰め上がる沢。

急峻な地形にかかる滝とナメが見事!

小出俣川 マチホド沢 遡行記録

2022/9/30 日帰り 晴れ

メンバー:ケーシ、他1名

遡行グレード:3級

今年初!の谷川の沢へ。
シュカさんが早々に冬眠してしまったので、パートナーを探していたところ
代休を取って3連休となったpomと遊ぶことになった。
初日は谷川連峰の中でも一際静かな山、小出俣山のマチホド沢へ行くことに。
行先候補には常に入っていたが、近い&いつでも行けるからと後回しにしていた沢だ。


川古温泉駐車場に集合してしばらく林道を歩く。
30分くらいで入渓地点である千曲平へ。


最初は河原歩き。一つだけ10mくらいの滝が出てくるが、左から容易に巻ける。


その後、再び河原を歩くと大ヒラナメノセンと呼ばれる長いナメ床が出てくる。


癒しの渓相。少しヌメル。


ナメ滝もいくつか出てきて心地良い。


早朝で日が当たっていないのが残念だが、素晴らしいナメです。


ナメ床を満喫し終えると8m滝。
ケーシは右から登る。pomは左岸巻き。


8m滝を越えると徐々に辺りが岩に囲われ始め、急峻な二俣に到着。
左がセンノ沢、右が今回遡行するマチホド沢だ。
マチホド沢には100m近い大滝がかかり、周囲の地形も相まって地獄のような景観になっている。


マチホド沢はすぐに15m滝の登攀から始まる。
ここはpomリードで滝上へ。ホールドはしっかりしているが、ヌメリと冷たいシャワーで体が強張る。サッサと登って滝上へ。


大滝上段。凄まじい迫力。
ここは右のバンドを伝って直登も出来るそうだが、容易に巻けそうなので巻いて行く。


巻きは右のルンゼっぽいところから。
他の記録によると結構立っているのでロープ推奨とのことだが、
挟まりながら登れる&藪で高度感を感じないので、すんなり巻き上がれた。


大きめに巻いて落ち口へ。


7m滝は水流を直登、pomは右岸巻き。
この辺りから日が当たってきて気分も上がってくる。


少し進むと奥に巨大な滝が見えてきた。


70mスラブ滝だ。ここは上部で沢が分かれており、左がオゼノ沢/右がマチホド沢となっている。


しばし滝を見物しながら休憩して登り始める。
青空に向かって爽快な登攀!


素晴らしい高度感。
滝を左寄りに半分以上登ったところで藪に入り巻いて行く。


オゼノ沢を跨いで沢に復帰。15m滝は左から登る。


この辺からナメが連続して出てくる。


小ヒラナメノセン。


ナメが無限に続く。奥には大きめの滝がありそうな予感…。


60mナメ滝が姿を現す!デカい!


傾斜が強いので登れるのか?不安だが、取り付いてみると珍しく順層。
快適に高度を稼ぐ。


落ち口が高度感もあって緊張するが、慎重に登れば難しくない。


まだまだナメが続く。


ナメ天国!やっぱり谷川の沢は素晴らしい!


振り返ると絶景。


最後の二俣を右に入ると岩に阻まれるが、容易に突破できる。


山頂目指して詰める。


もう少し!


中々着かないなーとぼやいていると突然周囲が開けて、藪漕ぎゼロで山頂に着いた!
山頂からは谷川連峰が一望出来て、素晴らしい景色に思わず声を上げてしまうほどだった。
ここに登山道がついていたら確実に人気の山になっていたであろう。


山頂で絶景を満喫した後は大ビノ尾根を藪漕ぎ下山。
最初は踏み跡があったが、徐々に薄れていき背の高い藪を根気強く漕いでいく。


1300mくらいまで我慢して下るとテープが現れ始める。
そのままテープを目印に尾根を辿って行くとあっという間に千曲平に下山出来た。
沢に降りている記録が多いが、この尾根を辿った方が圧倒的に早いのでおススメ。

夕方下山を覚悟していたが、14時前には駐車場に戻れた。
長年候補として眠っていた場所に行くことが出来てとても良かった。

マチホド沢はそれほど知名度の高い沢ではないが、爽快なスラブ登攀やナメ歩きを楽しめ、
谷川の沢の中でも上位に入るほど渓相が良い。まさに隠れた名渓だった。
下降が楽であれば人気が出たに違いない。

泊まりで行く記録が目立つが、快適に泊まれる場所は無いので
荷物を軽くして日帰りでサクッと行くのがベスト。
あまり濡れないので涼しい季節に行くと快適だと思う。

コースタイム

駐車場6:00―入渓6:30―マチホド沢出合7:30―70mスラブ滝8:30―小出俣山10:40―駐車場13:30

装備

ラバーソール靴、40mロープ、登攀具