上信越・越後の沢

裏巻機 下ノ滝沢

上部に圧巻の大スラブ帯が広がる巻機の沢。

スケールの大きいスラブと稜線へ続く美しいナメに昇天間違いなし!

五十沢川 下ノ滝沢 遡行記録

2022/10/1-2 1泊2日 両日晴れ

メンバー:ケーシ、他2名

遡行グレード:3級上

マチホド沢の翌日は引き続きpomと彼の沢の師である江戸切子さんと近場の泊まり沢に向かう。

場所は五十沢の支流、下ノ滝沢。こちらもマチホド沢と同様、候補には常にあるものの
毎年行かず終まいで脳内リスト脇に放置されていた沢だ。


前日に桜坂駐車場に車をデポって当日pomにピックアップしてもらい天竺の里へ。
ゲートは前日にキャンプ場にtelして鍵を開けてもらった。
ちなみに天竺の里までの道は有料(一人300円)かつ、毎年道が雪崩で壊れるので通行の可否はその都度問い合わせた方が良いだろう。


五十沢渓谷の歩道を進むと下部ゴルジュの入口となる不動滝へ降りられる。
同行の二人は滝屋ということもあり、ゆっくり写真撮影。
自分は登攀ルートのチェックなどをした。


さらに夫婦滝を見送り進むと取水堰堤(中部ゴルジュ入口)に到着。
相変わらず凄まじい迫力だ。


内部を少し見学して登山道に戻る。


そして噂の登山道に突入。ここの登山道が想像の遥か上を行くヤバさだった。
登山道というよりは沢の高巻きに近く、ロープや鎖は設置されているものの、完全に一般登山道の範疇を超える悪さだった。


落ちたら普通に死ねる。Ⅲくらいのスラブトラバースも出てくる(笑)
過去最高に悪い道ですね。


景色は無駄に良い。水を汲むのを忘れて汗だくになりながら渡渉地点へ。


渡渉地点に降り立つ。白い岩と五十沢の清らかな水が美しい。
少し上流の滝を見学して下ノ滝沢に向かう。


下ノ滝沢は平凡なゴーロ帯で出合う。
そこからゴーロをしばらく進むと突破不可のゴルジュにぶつかる。


大人しく右岸巻き。この岩が見えた辺りから沢に下降。


ゴルジュ出口にジャストで降り立った。


ゴルジュ上はナメ滝が続く。


滑らかで美しい滝が多い。


これは登れず、、巻き。


さらにその先にも泳がないと無理そうな滝が見えたのでまとめて巻いて行く。


沢床に復帰。ここも美しい。
他の記録だと前半部を酷評している記録が多いが、渓相が良く高巻きもライトなのであまり気にならない。


何個か滝を巻いて行くと…。


再びゴーロ帯に突入。10月とは思えない灼熱の中、ヒーヒー言いながら高度を稼ぐ。


ゴーロを進んで行くと上部ゴルジュ入口前に素敵な石畳が広がる。
ここで寝ようかと考えていたが、時間が早すぎるので先に進むことに。
何とか今日中に大滝を越えたいところだ。


石畳から振り返る。


ここから上部ゴルジュに入って行く。


絶望的な滝がかかっていた。ここから右岸を巻いて行くが、中々沢に降りられず。


ようやく沢床が見える位置まで来た。そして先には…。


100m大滝が姿を現す!逆光で全然滝が写らないのが残念だが、圧巻の光景。


沢に降りられそうなポイントもあったが、先にはヤバそうな滝が続いているため、巻きを継続。
滝から近すぎず離れすぎずで巻いて行くと…。


大滝上の40mナメ滝下に降りられた。


大滝上から振り返ると越後の山々が一望出来る。


40mナメ滝は右からヌメリに気を付けて登って行く。


そして滝上には上部の大スラブ帯がその姿を覗かせている。素晴らしい景観に思わず叫んでしまうほどだ。
あのスラブを今日歩いてしまうのは勿体ない!ということで本日はここで行動終了。
木が無く、焚火は出来なかったが美味しい夕食をご馳走になり、スラブの絶景と満天の星空を眺めながら眠りについた。


翌朝はスラブ帯に日が当たるのを待ってからスタート。


素晴らしいスラブが広がる。


振り返っても絶景。


米子沢を遥かに凌ぐ規模感。


恐らく巻機イチのスラブ帯ではないか。


金山沢、笹穴沢、西ゼン、どれも素晴らしいスラブやナメだったが、ちょっとここはレベルが違う。


乾いた所を快適に登って行ける。


スラブの途中で休憩。ここで全員がスラブに興奮しすぎて2日目のログを取り忘れていることに気づく(笑)


スラブ帯の終わりを告げるステージが見えてきた。


絶景スラブに別れを告げて、ステージにかかる滝を巻いて行く。


滝上のゴルジュに降り立った。これで見所が終わりかと思いきや、実はまだこの先に素晴らしい景色が広がっていた!


何とゴルジュを抜けると長大なナメが続いているではないか!


メンバー全員歓喜!!この沢ヤバすぎませんか?


稜線までナメが続いていそうなくらい長い。


日本最高峰の源頭部と言っても過言ではない。


最後までナメを楽しめる。


次第に水が涸れていき…。


草原に飛び出した!!


藪漕ぎゼロで登山道に到着。いやー素晴らしすぎる沢でした。

記念に巻機山に寄って写真や山座同定をして、暫し沢の余韻に浸る…。
巻機山は休日ということもあり、多くの登山者で賑わっていた。
下山中は初のインスタ山女子を観測したり、サワグルイのケーシさんですか?と外人含め、3名くらいに声をかけていただいた。
サワグルイの影が薄い方として全く話しかけられなかった私の時代がついに来たのかもしれない。そんなこんなでとても気分を良くし、マッハで下山。
あとは車を回収して活動終了。お二人ともお疲れさまでした!

下ノ滝沢の圧倒的スケールを誇るスラブ帯と源頭部の長大なナメが素晴らしいのは
この記録を読んだ方に伝わったかと思うが、そこに至るまでの100m大滝をはじめとした明るい渓相も非常に良い。巻き主体であるが、そこまで不快ではなかった。

濡れる沢ではないので行くなら秋がおすすめ!車が2台あると下山が快適。

コースタイム

1日目
駐車場7:00―下ノ滝沢出合9:30―石畳12:40―100m大滝上14:20―テン場14:30

2日目
出発9:00―大スラブ帯上10:00―登山道11:00―駐車場13:30

装備

ラバーソール靴、40mロープ、登攀具