下田・川内/会越の沢

川内山塊 大底川ム沢

険しいゴルジュが続く川内の渓。

井戸底のような逃げ場のないゴルジュに終始圧倒される。

杉川 大底川(逢塞川)ム沢 遡行記録

2022/9/11-12 1泊2日 両日晴れ

メンバー:ケーシ、シュカ、他1名

遡行グレード:4級

北海道の友人、ホーリーさんと合流し沢合宿開催。
合宿前半は詳細な記録の少ない川内山塊の大底川ム沢に向かった。


チャレンジランド杉川の奥にある登山口からスタート。


30分ほど登山道を辿り、取水堰から入渓。いきなり泳ぎの予感…。


早速泳ぐ!水温は心地よくウェットスーツ要らず。(シュカさんは着ていたが)


いきなり長い距離を泳がされる。


その後も何個か長い淵を越える。


大底川/杉川の出合に到着。
ゼンマイ径を辿れば最初の泳ぎを回避出来るそうだが(取水堰との分岐にそれっぽいピンクテープ有)、今となってはあるか分からない道を探すより泳いだ方が早いだろう。


ウォーミングアップをこなしたところで大底川の遡行開始。
この独特な景観。素晴らしい。


途中、上空に廃橋がかかる。


大底川前半は泳いで登って楽しい箇所が多い。


易しいゴルジュが続く。


景観は一級品。


前半唯一の大きめの滝。と言っても3-4mくらいか。簡単に通過できる。


しばらく河原になる。尖がった不思議な岩があった。


岩宿沢を過ぎた辺りから再びゴルジュ地形に。狭い水路状を進む。


奥に進むとCS滝が見えてきた。ここは空身で突破。


その後も高さこそないものの、トリッキーなムーブを多用する滝が連続。
まさにゴルジューランド!


どれも楽しく突破出来る。


そして中間部は結構足のつかない深い釜が多い。


ソコソコ突破力が必要な滝が多い。


水圧に抗うシュカさん。


そんな感じで遊んでいるうちに巨岩帯に突入。
遅出だったが、まだ時刻は昼前。この先に良いテン場は無さそうな感じだが、行けるところまで行ってみることに。


巨岩帯~テン場適地の河原を抜けると、周囲が岩壁に囲まれ渓相が一変。
今までの楽しいゴルジュ―ランドでは無くなる。
進むと法螺貝ノ滝と呼ばれるゴルジュ帯にぶち当たる。ここは先に絶望的な滝も見えており、登れそうにない。


というわけで大人しく大高巻き。行く先はさらに切れ込みが深く、悪そうな滝も見えるわで気持ちが萎える。
灼熱の藪漕ぎ&懸垂下降でちょうどゴルジュ出口に降り立ったが、ここで結構時間を食ってしまった。やはり記録の少ない沢は楽しいが、安全なルート取りに時間がかかってしまう。


降り立った先の滝は簡単に登れそうで安心。


ゴルジュ地形を進む。雪渓はゼロ。


地味悪CS滝。左の薄被り~ワイドを空身で。後続はお助けで突破。


正面からガレルンゼが出合うと再びゴルジュとなる。


ここの連瀑帯も手の付けようが無く、巻き巻き。


ナメ床が見えたところで沢に復帰。
その後も側壁は緩むことなく、むしろ逃げ場の少ない地形になっていく。


そろそろ地形図でも泊まれそうな銀次郎沢出合に着くはずなのだが、中々着かない。。
前方にはまた厄介な滝が見えてきた。


ここはロープを出して直登する。バランシー&トリッキーで怖面白い。


登りきった先は幅3mくらいの激セマゴルジュになっており、奥には絶望的な滝がかかる。
まさに大底川の秘部。
そして左からは15mほどの滝。もしやここが銀次郎沢か!?
晴れ予報だからといって、とても泊まれるような場所ではなかった。。


井戸底のようなゴルジュを無理やり脱出して銀次郎沢に入り、ヘッデンギリギリで幕営。
3畳ないくらいの劣悪物件だったが、焚火もできて何とか眠れた。


翌朝は昨日行き詰った滝の高巻きから始まる。懸垂2発で沢に復帰。


ゴルジュ地形が続くが全体的に容易。


2段13m滝はボロボロヌメヌメで気を使った。


再びゴルジュ。


どうやらここら辺がココノスジ滝と言われている場所らしい。


ゴルジュを振り返る。


その後も滝が連続。


結構シャワー浴びる系が多い。


小滝も地味悪。


ようやく滝場が終わるとゴーロ歩きで標高を稼いでいく。


沢型を途中から外れ、銀太郎山直下のコルに向かって行くとすんなり登山道に出た。
2日目は楽勝?と思いきや地獄はこれから。5時間の下山が待っている。


銀次郎山で一服。

蒸し風呂&ヒル地獄でボロボロになりながらフィニッシュ。合宿後半に続く…。

大底川は前半のゴルジュだけならお手軽で遊べそうだが、後半は中々渋い登りや高巻きが出てきて万人におすすめ出来るルートではない。
雪渓が残っていると1泊2日ではとても抜けられるルートではなく、テン場も少ない。
川内の素晴らしい渓相、害虫、蒸し風呂地獄下山を存分に味わいたい方は是非足を運んでみてください。

コースタイム

1日目
駐車場8:00―入渓8:30―出合9:00―法螺貝ノ滝12:00―テン場18:00

2日目
テン場6:30―登山道9:30―駐車場15:00

装備

ラバーソール靴、50mロープ、登攀具、ライジャケ(ケーシのみ)、ウェットスーツ(シュカのみ)