飯豊・朝日の沢

朝日連峰 八久和川

朝日連峰の長大な渓谷。

優雅な沢旅を満喫できる超メジャールート!

八久和川~出谷川中俣沢 遡行記録

2022/9/15-18 3泊4日 全日晴れ

メンバー:ケーシ、シュカ、他1名

遡行グレード:5級

合宿後半は2日間のレストを挟み、朝日の長大な渓谷である八久和川へ。
ルートは八久和ダムから行こうかと思っていたが、かなり大味な渓相が続きそうなので、
泡滝ダム~トガラ沢~横沢下降でアプローチする定番コースで行くことにした。


皿渕沢近くの駐車スペースに車を停めて出発。
近くには大量の車が停まっている…、もしかして全員釣りか沢か?と恐怖するが、我々以外は普通の登山者っぽい。どうやら泡滝ダムから1.5km区間が通行止めになっているようだ。


釣り師も居ないし先行者ゼロ!気楽に遡行開始。
だが、前半の疲れが残っており、すでに3日目くらいの疲労具合だ。先が思いやられる。。
皿渕沢を少し進むとトガラ沢出合。トガラ沢は小滝が続いて退屈しない。


やがて水が涸れ、沢型を忠実に詰めて行く。


横沢下降点の目印となる池塘に到着。ここから横沢に降りる。


横沢は滝が連続するが、どれも基本的にクライムダウンで処理できる。
2回だけ懸垂したかな。


明るいゴルジュと河原歩きが続く。関東にあれば普通に人気が出そうな沢だ。


長いアプローチを終えてようやく八久和川に到着。ここからがようやく本番。


遡行開始。
沢というより川という言葉が合う。スケールのデカい空間だ。


水は透き通り、深さが分からないほど。清流ってやつですな。


泳いだりへつったりしながら進む。


カクネ平手前で最後のひと泳ぎ。


カクネ平付近の砂地で幕営。これにて初日終了。


翌朝は長い河原歩きから始まる。


大味な渓相が続く。特に難所は無い。


平七沢手前の自然プール。かなり写真を省いたが、ここに着くまでかなり長かった。。


自然プールは右から巻き、5mのクライムダウンでゴルジュ内に降り立つ。
先には厳しそうな滝が見える。


泳いで近づいてみる。


ショルダーすれば登れそうなので、シュカさんを上げてからゴボウで登った。
ずっと河原歩きか長い淵のヘツリだったので、こういう突破ポイントがもう少し多いと楽しいのだが…。結局、中俣沢まで頑張るところは出て来なかった…。


平七沢手前。日が当たると八久和グリーンが輝きを増す。


平七沢出合は河原。テン場適地。
ここからしばらく歩くと登山道合流点。あまりにも退屈すぎて写真を撮り忘れた。


オツボ沢出合のゴルジュ。
左岸に顕著な巻き道があるらしいが、探すのも面倒なので内部に突入。


立派なゴルジュが続いている。


軽快に泳ぎ進むと…。


奥に3mCS滝。左から簡単に登れた。
これにて出合のゴルジュ終了。ここから再び平凡。


随所に大きなプールが出てくるが、見慣れた光景になってしまい徐々に感動も薄れてきた。


コマス滝は直登不可能な形状で右岸から巻いた。


そして八久和と言えばここ!呂滝に到着。
デカくて底の見えない深い淵を持つヤクワのパワースポット的な場所だ。


ここは巻くのが一般的らしいが、泳いで右壁を直登。


クライムダウンで落ち口へ。水量多いとここの渡渉は難しいかも。


呂滝上の美しい渓相。沢の規模がようやく小さくなり楽しくなってきた!


次のゴルジュ帯。


遊びながら通過。


ゴルジュ上の河原でソロの方に遭遇。youtubeの視聴者さんで我々を認知してくれていた。とても光栄なことだ。
良い時間なので我々もここで行動終了とする。夜は雲が多くなり天気を心配しながら就寝。


翌朝、昨日の雲はすっかり消えて快晴。しばらく天気は持ちそうだ。


白い岩盤の美しい渓相が続く。


西俣沢出合。


プチゴルジュ。


東俣沢出合。


東俣沢を過ぎるとナメと滝が連続。


明るく開けて気持ちいい。


2段の滝。下段は泳ぐ。


上段は右から。


滝上のナメ。


出てくる滝をどんどん直登していく。


この沢最大の15m滝。


技術的にはここが核心。残置に導かれ岩部分を登るもヌメリとホールドの悪さに断念。
結局左の草付きとの間を登った。


大滝上もまだまだ滝がわんさか出てくる。


すでに歩くだけのマシーンと化していたシュカさんもようやく復活!?


赤茶けた岩盤が特徴的。


直登祭り!!


ここは簡単に巻けたかな?


ここら辺からゴルジュ帯に突入。


行けるところまで内部を進む。


水線を攻める!!


6m滝は右から。この辺はまとめて巻かれることが多いようだ。


どん詰まりにゴルジュ出口の10m滝。今回は登攀具が無いため巻き。右から登れると思う。


巻いて先程の滝上に降り立つ。


ゴルジュが終わっても中俣沢はまだまだ終わらない。


正直、中俣沢だけで良かったねというのが本音(笑)


中俣沢のフィナーレを飾る連瀑帯が見えてきた。天から水が落ちているようだ。


いくつか滝を登り連瀑帯に到着。真下から見ると迫力半減?
右から簡単に巻けた。


連瀑帯を抜けてもまだ滝!


これでデカいのは最後だったかな?


巻いて沢に戻ると源頭の雰囲気。
てっきりすぐに狐穴小屋に着くのかと思っていたが、想像以上にこの源頭区間が長い…。

癒しのナメを歩いて稜線へ。もうヘトヘト。


狐穴小屋が見えてきた。


ようやく長大な沢旅が終了。とりあえず小屋で一服。


ここで泊まるのもアリかなと思ったが、時間が早いので出来るだけ進むことに。
稜線の素晴らしい景色を楽しむ余裕も無く、汗だくになりながら縦走。


以東岳で記念撮影。


タキタロウ山荘目指して下る。


日没前に小屋に到着。ビールで乾杯して就寝。


翌朝は下山だけなのでゆっくりスタート。
準備をしていると登山のお姉さま方に声をかけられた。YouTubeの視聴者さんでよく見てくれているそうだ。
写真や握手まで求められ、少々気恥ずかしい。
気分が良くなったのか昨日までの疲れが吹っ飛び?下山は軽快に飛ばせた。

ケーシだけ車を取りに先に走ったが、結局林道はかなり手前から閉鎖されており、二人を待って無事に活動終了。いやー長かった!!

八久和川下流~中流は大味な渓相なので、ゆっくりと沢旅をしたい方向き。
楽しむなら中俣沢だけでも良いように感じるが、やはりヤクワの真髄を感じるならば下から遡って上部の各沢に入るがベストだろう。

グレードは豊野本に倣って5級としたが、体感は3級上くらいか。雪渓処理があるともう少し難しくなると思う。

コースタイム

1日目
駐車場7:30―稜線9:30―横沢出合11:30―テン場15:00

2日目
出発6:00―登山道合流点11:50―呂滝13:50―テン場14:30

3日目
出発6:00―西俣沢出合6:30―15m滝7:30―連瀑帯上10:40―登山道11:40―テン場16:30(タキタロウ山荘)

4日目
出発7:00―泡滝ダム9:00―駐車場9:30

装備

ラバーソール靴(シュカ)、フェルトソール靴(ケーシ)、30mロープ