九州の沢

大隅半島 猿ヶ城渓谷

大隅半島でトップクラスに美しい沢!

花崗岩の白い岩肌に透き通った青い水が映える。

本城川 猿ヶ城渓谷 遡行記録

2022/04/17 日帰り 晴れ

メンバー:シュカ、ケーシ

遡行グレード:2級上(今回は水量少。多いと難しいと思われる)

今年2本目の沢は猿ヶ城渓谷!大隅半島で屈指の美しい沢らしい。
以前大隅半島に訪れた時から行きたいと思っていたが、タイミングが合わず行けなかった沢だ。

まだ4月だが、本日の気温は23℃程あり暖かめ。猿ヶ城渓谷は泳ぐところが多いらしいが、ウェットスーツを着て行けば問題なさそうだ。

刀剣山登山口から出発。少し歩いた先の渡渉点から入渓する。

鱒ヶ淵

初っ端から泳ぎスポットが出てきた。
水温はそんなに低くなく、ウェット・ライジャケを着込んでいる甲斐もあり、全然寒くなかった。

水が青々と輝いていて美しい!
泳ぐ必要がない所でも、つい泳ぎたくなってしまう。

巨岩を縫うように進んでいく。

凄まじいえぐれ方の岩盤。
両岸が切り立ち、奥には船のような大岩が見えてきた。

はじらいの滝

泳いで覗きに行ってみた。
中から登れそうだったが、ケーシが泳いでくる気ゼロだったので右岸から巻いた。

猿の踊り場

はじらいの滝を巻くと、先ほど見えていた船のような大岩に出る。

白磁の床

先には真っ白な岩盤が広がる。まさに自然の造形美!
所々に水が溜まっており天然のプールとなっているが…雨で洗われた後なら綺麗なのだろう。

再び巨岩を越えて進んでいくと、CS滝が出てきた。
こちらも中から登れないか見に行く。


リーチギリギリのつっぱりムーブで突破。
そのまま岩の隙間から滝上に出ることができた。

岩が複雑に削られ、特異な景観を作っている。
ケーシは左のリッジから登ってきた。

写真では見えないが、登りやすいようにロープが設置されていた。


少々河原歩きを挟む。
意外とずっと泳ぎっぱなしという感じではない。

釜を持つ小滝。つい綺麗な釜に誘われて浸かりに行く…
直登はできず左の岩場から越えた。

3段の滝

大釜を持つ3段滝。泳いで取りつく。


1段目は各々好きな所から登る。

ケーシは水流左のスラブからトラバースしてきた。

2段目は水流右から登った。ラバー靴でないと厳しいかも。


3段目はハングしている。これは登れそうにない。
右岸から人工登攀するらしいが、面倒なので戻って3段滝の手前から巻くことにした。

3段滝の巻き。残置ロープや導水管に沿って進む。

3段滝を巻き終わると巨岩帯になる。

しばらく歩くと両岸が切り立つゴルジュ地形に。


ゴルジュ内の岩の下に鉄骨が挟まっていた。
大雨が降ればまた下流に流れていくのだろうか…。水の力は恐ろしい!

巨岩がゴロゴロ挟まったゴルジュ。
淵を泳いでいざ突入!

巨岩が行く手を阻む!
ショルダーで正面の岩に乗り、左から抜けた。

大きいカムで支点を取り、後続はアブミで上がった。
狭いので荷上げした方が良い。


続いてもう一段岩の隙間を這い上がる。ここも荷上げして突破。

振り返る。狭い!


まだゴルジュは続く。左の岩の隙間から這い上がる。

やっぱり登攀要素のある沢は楽しい!

ゴルジュの最後には洞窟状のCS滝がある。
正面のスラブ岩にボルト連打されていたが、最初の方が抜けていた。
ここは登らずに右岸から巻く。

巻く前に…とりあえず中を見に行ってみる。どん詰まりはヌメヌメで登攀は厳しそうだった。

 
洞窟内にかかる滝。水量チョロチョロで迫力は無いが、秘境感はスゴイ。

巻き終わるとまだ淵が出てきた。最後にひと泳ぎ。


右岸に朽ちたガードレールが見えた。
ここで遡行終了とし、左の岩場から林道に上がった。

林道に合流し無事に遡行終了!
少し進んだ所で林道の崩壊地点に出たので、ピンクテープを辿って少し下る。

崩壊地のトラバース。ケルンが積まれていた。
この後林道に復帰し、小一時間歩くと駐車スペースに着いた。

猿ヶ城渓谷は非常に渓相が良く、内容も楽しめる良い沢だった!
今回は水量が少なく本来の美しさではなかったかもしれないが、それでも綺麗な沢だった。

増水時は遡行が困難になると思われるので要注意。

コースタイム

猿ヶ城渓谷駐車場 9:00ー入渓 9:05ー林道・遡行終了 12:50ー猿ヶ城渓谷駐車場 13:40

装備

ラバーソール靴、ウェットスーツ、ライフジャケット、フローティングロープ