飯豊・朝日の沢

飯豊 前川本流~ビンカガクチ沢

沢から百名山シリーズ。

飯豊本山に登れる明るく美しい豪快な沢!

実川 前川本流~ビンカガクチ沢 遡行記録

2023/8/22-23 1泊2日 晴れ/晴れ後曇り

メンバー:ケーシ、他1名

遡行グレード:4級

ここの所、夕立は来るものの晴れ続き。近所の中澤さんにどこか行きませんか?と声をかけ飯豊の沢に行ってきた。
何と新潟に住んでいながら飯豊の沢はほぼ初めて。(過去に別の沢で一度敗退している)
色々と案はあったが、明るく渓相の良さげな前川を選んだ。
シュカは前日のジムで登り過ぎて指をやってしまったのでお留守番。
2泊の行程、男二人でまったり行くことにする。


実川林道は崩壊により終わっているため、弥平四郎から山越えでアプローチ。
6時過ぎだというのにすでに灼熱。。滝汗クタクタになりながら山ノ越へ。


1時間半くらいでようやく到着。水はすでにすっからかん。早く沢に降りたい。
ここから藪を少し漕いで沢型に入る。


松ノ木穴沢を下降していく。滝と言う滝はないが、ヌメリと倒木に気を使う。


黙々と下って前川に合流。白い岩肌が美しい。そして暑い。


美しい瀞。


河原を進むと大きな釜を持った滝。泳いで取り付き登る。
半袖で泳いでも全く寒くない。


ここも泳ぐ!奥の滝は登れず左岸から巻く。


本流らしい豪快な渓相が続く。
飯豊の沢は何となく暗くて陰鬱なイメージがあったが、この沢はとにかく明るい。


河原歩き→泳ぎを繰り返す。


沢が右に曲がると魚止滝前の連瀑。右のスラブから登る。


魚止滝に到着。左から登るのがセオリーらしいが、結構悪そう。
明らかに簡単に巻けるので、左岸巻き。


魚止滝落ち口付近に降りる。


次は地味悪な1m滝。滝左をショルダーで突破。ボルダラーならフリーでもいけそう。


しばらく進むとco813二俣。ここは右へ。


豪快な20m滝。左岸巻き。


ゴルジュ状を進む。

 
何か出てきそうな予感…。からの何もないパターンが多かった。
基本ゴロジュ。


水が透き通り過ぎている…。
エメラルドグリーンの水と白く滑らかな岩肌。まさに清楚系ゴルジュ!


沢が左にクランクすると6m滝。左の流水溝から。


奥の淵は豪快なシャワーで突破。


爆水ナメ滝で一旦ゴルジュ終了。


河原を挟むと再びゴルジュ。


美しいナメ滝の連瀑。


徐々に側壁が立ってくると…。


迫力ある10m滝。
左右どちらも登れそうだが、左は下部がハングっているため、右に取り付く。


ここはケーシリードで空身で登って荷上げ。落ち口が悪い。
ここの登攀中に暑さによる脱水で体が攣りそうになり、必死のパッチで滝上に辿り着いた。


この滝を登っている時に下腹部が攣り動けなくなる。中澤さんに大声で助けを求め、ヒモを貰って休み休み登る。さっきの滝じゃなくて良かった…。
遡行中は結構水に浸かっていて気付かなかったが、しっかり熱中症になっていたみたいだ。
塩分タブレットと水を大量に摂取して休憩。


最後の20m滝は左岸から巻く。体が思うように動かず死にそうだった。


ようやく着いた河原。


野営仕度を完全に中澤さんに任せ(ほぼ毎回であるが)、引き続き塩分タブレットと水分を補給しながら回復に努める。
夕方にはほぼ回復し、夕飯を食べて就寝。この日は半袖とシュラカバで眠れるくらい暑い夜だった。


翌朝。朝食を摂りながら今日のタクティクスを話し合う。
沢のタクティクスでは無く、下山のタクティクスだ。日中のカンカン照り時に下ったら自分は暑さで確実に死ぬ。
ここは源頭部でもう一泊、もしくは小屋で夕方まで時間を潰してナイトハイクか?などと様々な案が出るも、結局ナイトハイク案が濃厚になる。。


少し歩くと上追流沢出合。本流にかかる滝は右から巻き気味に通過。


すぐに沢はゴルジュ状に変化。少し泳いだり滝を空身で越えて行く。


沢がグネグネ曲がっている。雪渓は一欠片も無かった。
 
10m滝は左から。


大きな斜瀑は右から快適に登れる。


その上の滝は登れず。右岸巻き。


次も結構悪そうなので右岸巻き。


綺麗な形状の滝が続く。


高巻き中に暑さで死にそうになったので冷却。


2段20mは下段を右から登り、上段は左岸巻き。

 
先程の滝を越えると沢は穏やかに。


開放感ある沢を登っていく。滝が減り、ゴーロ歩き主体だが、日が陰ってくれているのがせめてもの救い。


co1385二俣。ここから連瀑帯。


数えきれない程の滝を越えて行くとオアシスのようなナメ滝に癒される。


滝が終わらん。


まだまだ続く。


どん詰まりにまたデカい滝が出てきた。


中澤さんリードで左のチムニーを登る。


次の2段滝は上段が悪そうなので巻く。


ようやく終盤戦。co1767辺り。本山直下のコルを目指すので正面の沢に入る。


これは巻いたかな。


ひたすら滝を登って高度を稼ぐ。


水が涸れ草原へ。


お花畑を少し登ると登山道に出た。


飯豊本山の頂を記念にPH!ガスってるのが残念。


稜線は風が良い感じに吹いており、これならナイトハイクせずに済みそう。
という事で日中に下山することに。


登って来た沢が見えた。


適度に休憩しつつ下山。アップダウンがしんどい。。

ヘッデン下山で駐車場に帰還。
初飯豊の本流遡行、スケールが大きく、天気にも恵まれとても思い出深い山行となった。次は飯豊本流か裏川、カイラギ滝沢辺りに行ってみたい。

今回は条件良く1泊2日で抜けたが、ゴルジュ帯に雪渓が残るとかなり時間がかかりそうなので最低2泊あると安心だ。

コースタイム

1日目
駐車場6:30―山ノ越8:00―前川本流10:20―テン場16:00

2日目
出発7:00―co1385二俣9:20―co1767二俣10:40―飯豊山12:40―駐車場19:00

装備

ラバーソール靴、50mロープ、ライジャケ(中澤さんのみ)、カム・ハーケン