屋久島・離島の沢

屋久島 宮之浦川 後編

宮之浦川の記録後編。3日目の記録。

屋久島 宮之浦川 遡行記録


4時に起床し、朝食を食べて日の出と同時に行動開始。
今日は登山道に抜けてもう1泊する予定。
冬型の気圧配置になり、かなり気温が低い。


テン場から高巻きを続けていると写真左の急峻な沢に阻まれたので、沢に懸垂で下降。


数時間ぶりに沢に降り立つ。
すぐにF22の20m滝が出てくる。右岸を小さく巻こうとするが、何だか微妙な感じ。


迷った末、左の急峻な枝沢を登り藪に突入。
後で他の記録を見たら、右岸を小さく巻くが正解だったようだ。


高巻きを終えてようやく沢に復帰。
思いのほかゴルジュの高巻きに苦しめられた。よほどの沢勘の持ち主か事前情報がある程度無いと結構ハマると思う。


いよいよ後半戦。まだまだ巨岩がゴロゴロ。
5-10mクラスの滝が出てくるが、この辺りから巻きが簡単になってくる。


奥に7m滝が見える。左岸から巻く。


10m滝も左岸から。


巨岩帯を縫うように登っていく。
一見登れなさそうでも、近くに寄ると上手い具合にルートが繋がっている。


F28に到着。写真左の岩の隙間を登る。


2段構成になっており、1段目は空身で挟まれながら突破。


2段目はペツルのボルトを利用し、人工で突破後に荷上げ。


上から見るとこんな感じ。


左岸に相当な高さのスラブが見える。


F29を越えると威圧的な雰囲気は軽減し、3-4mクラスの滝が続く。


少し歩くと上部ゴルジュの入口となる。
突破出来ないのでひたすら右岸巻き。


高巻きを始めようと沢を歩いていると、猿の群れに遭遇。
取り巻きの小さい猿が騒いでいるとボス猿が登場。こちらを鋭い眼光で睨みつけてくる。
西部林道の猿とは対照的に山奥の猿はあまり人馴れしていないようだ。


上部ゴルジュの高巻きは沢床が見えなくなるくらい大きめに巻く。
途中、ゴルジュ出口にかかる15m滝らしき姿を確認出来たので、降りられそうな場所を探して行く。


高巻き開始から約2時間で沢に復帰。
沢は完全に落ち着き、癒しの渓相に変化する。


緊張から解放され、快適に登っていく。
この辺りからヌメりが酷くなる。


どんどん高度を稼いでいくと…。


最後の二俣に到着。30m滝がかかる左俣に進む。


30m滝上からの景色。街と海が一望できる。


かなり源頭部まで来たが、谷の切れ込みはまだまだ深い。


意外と長い源頭部に飽き飽きしていると最後の二俣。
登山道に近そうな左俣に入るが、これが失敗だった。


猛烈なシャクナゲと格闘。遅々として進まない。


シャクナゲにボコボコにされること数十分、ようやく登山道に飛び出した。
やっと終わった!


記念に宮之浦岳をピークハントしに行く。


20分ほどで山頂に到着。
15時と遅めの時間だが、山頂はGW初日ということもあり、多くの登山者で賑わっていた。


それにしても今日は4月で一番天気が良いのではないか?というくらい雲一つない快晴だった。


下山中。左から翁岳と宮之浦岳。
今日は新高塚小屋でもう1泊の予定だったのだが…。


小屋に着いてみるとGWで小屋は満員。周りもテントだらけ。思わず唖然。
人の多いところが嫌いな我々は本日中に白谷雲水峡に戻ることを即決する(笑)


下山8時間、総行動時間17時間という怒涛の一日を終え、日付が変わる前に駐車場に帰還。
モンベルのサワタビで全て歩いているので、足裏が完全に死亡。もう歩きたくない。
宮之浦に帰還し、行動食とラーメンをすすって、倒れるように眠りについた。

これにて沢trip屋久島編は終了。
屋久島の沢は大きく、そして本州の沢はとは違う独特な渓相、水の綺麗さに驚いた。
本来は小楊子川や黒味川、安房川下部、安房川北沢右俣など色々巡ってみたかったが、
屋久島の大味な渓相に少し飽きてしまった。
また来ることがあれば、今回行けなかったところも是非訪れてみたいと思う。

コースタイム

3日目
起床4:00―出発6:00―上部ゴルジュ10:30―二俣13:20―登山道15:00―宮之浦岳15:30―白谷雲水峡23:00

装備

ラバーソール靴、50mロープ、カム、アブミ、ハーケン(未使用)